こんなときですが、ユーザー主体で「デザイン」を考える本が出ます

こんなときですが、ユーザー主体で「デザイン」を考える本が出ます

いろんな場所で「デザイン」が取り沙汰される昨今ですが、ちょうどブックライティングでお手伝いさせていただいたデザイン関連本が出版されることになりました。著者は「Xbox360」をはじめ数々のプロダクトデザインを手がけている村田智明さんです。発売は9/17ですがアマゾンで予約可になりました。

問題解決に効く「行為のデザイン」思考法

村田さんは大学で物理学を専攻後に三洋電機に入社、そこでのプロダクトデザインがキャリアのスタートという異色の経歴の持ち主です。大量消費時代のまっただ中で商品を作りながら、もっと息の長い愛されるプロダクトをどうすれば作ることができるか、考えていたといいます。

独立後に確立したのが、この本で紹介されている「行為のデザイン」という手法でした。

「行為のデザイン」とは、外観ありきではなく、見た目の美しさだけを求めるのでもなく、ユーザーにとって嬉しい形を作り出す方法です。本の中でもくり返し述べられていますが「ユーザーが目的の行為を美しく行うために、デザインはどうあるべきか」が主軸。そのために必要なことが1冊になっています。

帯にもあるとおり、すでにパナソニックや富士通、コクヨファニチャー、アップリカ、日本能率協会なども企画開発で村田さんの「行為のデザイン」を導入しています(というか、一緒に開発を行っている)。

面白いのは、これはデザイナーさんやデザイナー志望の方だけでなく、企画部門、営業部門、経営部門の方でも「なるほどね」「そうすればいいのか」と思える普遍的な手法であること。製造業だけでなく飲食業やサービスを提供するビジネスでも使えます。ユーザー主体で考えるので、主体が同じジャンルであれば応用が利くんです。

あと、デザインが専門家だけのものではなく、もっとたくさんの人が共有できる分野だというのも新しい発見でした。

ユーザーの行為から出来上がるデザインなので、いま流行?のパクリとは対極にあります。どうやってもオリジナルにならざるを得ない。こんなときだからこそ村田さんの本を手に取っていただきたいと思います。

問題解決に効く「行為のデザイン」思考法

追記)

2013年に村田さんにインタビューを行っています。物理学と美術はどこで融合したのか。手を動かすデザイナーの、活動の一端もわかるかもしれません。(全4回)

[インタビューズ]ハーズ実験デザイン研究所 ムラタチアキさん 1/4

[インタビューズ]ハーズ実験デザイン研究所 ムラタチアキさん 2/4

[インタビューズ]ハーズ実験デザイン研究所 ムラタチアキさん 3/4

[インタビューズ]ハーズ実験デザイン研究所 ムラタチアキさん 4/4

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