[書評]『夜と霧 新版』ヴィクトール・E・フランクル
- 2013.08.29
- 更新日:2020.06.06
- 書評・評論
池田香代子訳、という『夜と霧 新版』を読みました。ナチスの強制収容所を体験した心理学者が、収容時、収容所内の生活、解放後の人間の心理を詳細に振り返った本。
原典の初版刊行は1947年。霜山徳爾訳が出たのは1956年。著者が新版を出したのが1977年で、これは2002年に改めて訳出されているもの。あとがきを見ると語彙の使い方に新旧で特徴があるとのこと。
どんな残酷なことが行われていたかはほかの 本でも詳しい。この本の特徴は、一つのエピソードでも心の動きをなるべく客観視して描写している点。残酷さより人の弱さと強さが浮かび上がる。極限での過 去を思う気持ちと、未来を想像する力。
文字通り身ぐるみはがされてもなお残るものは何か。思い出すのもつらい体験なんじゃないかと思う反面、こうやって記憶・記録することを生きる支えにする精神の強さに脱帽する。
芯だけになったら、本当はみんなこれだけの強さがあるんだろうか。あるといいけれど。
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【インタビューライター 丘村奈央子】
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