どの会社にも「立ち上がりの良いネジ」がある

どの会社にも「立ち上がりの良いネジ」がある

2022〜2023年のNHK朝ドラは福原遥さん主演の『舞いあがれ!』。年明けから舞台が東大阪の町工場へ移ってきました。社長だった主人公の父親は急逝、残された母と娘と息子で会社を立て直す話が盛り上がってきました。ここはネジ製造の工場なので、脚本でもネジに関わる発言が出てきます。

「IWAKURAのネジはほかと違う。金型の調整を徹底的にやるから、ネジの立ち上がりが全然違うねん」

『舞いあがれ!』第71回より

去年からこの工場を何度も見てきたはずなのに、そういえば製品の強みについては何も意識していなかった。主役の舞ちゃんも視聴者もハッとした場面です。

中小企業のあるある、強みの無意識化

同時に、これまで取材した中小企業のことも思い出しました。ホームページやサイトに載せるテキストを作るとき毎回聞くのは「御社の強み」です。でも意外と皆さんその良さを意識していません。尋ねてみても「いやあ、何でしょうねえ」と返ってきます。

でも仕事を発注してくれる取引先がいるということは、同業他社と比べて必ず「こっちの会社のほうがいい」という判断があったはずです。ドラマでいえば「やっぱりIWAKURAのネジは立ち上がりが違うよね」と考えて発注してくれたお客さんは多いはず。それは他の未来のお客さんにとっても魅力なので強調したほうがいい点です。でも、オープンにすれば反応がある強みなのに、言語化されていない・意識化されていないというケースはよく遭遇します。

この強みは絶対に見つけて言語化して、社内共有したほうがいいです。まず自分たちが扱う製品について自信が持てるし、営業ならダイレクトにトークへ生かせます。得意分野を意識してもっと尖らせれば事業運営にもプラスになります。

ただし、ネックは「自分では気づきにくいこと」。ドラマでも、リストラ対象となった社員さんが自分の誇りを語るため、奥底にあった「ここが凄い」という思いをやっと吐露するシーンで出たセリフでした。本当は存在しているのに、日常ではあまり表に出てこない強み。中小企業のあるあるだと思います。

自覚が難しければお客さんに聞いてみる

自覚が難しい、自分たちでは気づけない、そんなときに頼りになるのはお客さんの声です。

コンテンツのテキストの取材で、相手が強みをパッと言えない場合は「お客さんにはどんなところを褒められますか」と聞いています。よく褒められるポイントがあったら、それは自社の強みです。

もし思い出せないのであれば「どうしてうちを選んでくれたんですか」と改めてお客さんに尋ねてみてください。意外なところが強みであると気づきます。

私もライターになりたての頃から「同業他社がたくさんあるのに、どうして選んでくれたんですか」と積極的に聞きました。言ってもらえたことは自分のホームページに反映できると考えたからです。すると本当に想定外のところから「強み」が出てきました。

・料金を明示しているので頼みやすい
・レスポンスが他の人より早い
・締切前に原稿が出てくる

聞き方やテキストについて褒めてくださる方がいるのと同じくらい、正直「そこですか!?」と思うところが選択の理由になっていました。当たり前だと思っていたことが実は当たり前ではないらしい。むしろ当たり前にやっているから価値が出ているらしい。特に一般企業のお客さんから言われました。

お客さんに教えてもらったポイントは宝物です。今でも意識的に言葉として表したり、会話の中でも強調するようにしています。

「問い」がないと出てこない「答え」

高水準が浸透している会社ほど、わざわざ意識して「自分たちは凄いな」と思う機会はないかもしれません。逆にスタートしたばかりで余裕がない会社では振り返る時間がないかもしれません。

でも、どの会社にも必ずオリジナルの強みがあります。『舞いあがれ!』でいうところの「立ち上がりの良いネジ」はどの会社にも存在しているんです。

「うちは大したことないから」と謙虚な会社ほど強みは埋もれているので、これは意識的に「問い」として発しないと得られない「答え」ともいえます。

一度見つけて言語化すると、会社にとってずっと使える財産になります。自社員だけでなくお客さんの声も使って、ぜひ強みを積極的に探してみてください。

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