[起業]フリーライター、料金相場はどれくらい?

[起業]フリーライター、料金相場はどれくらい?

自分の料金を決めるとき、どんな料金に設定すればいいのか迷ってしまいます。私も同じで、起業前はネットで「フリーライター 料金 相場」のようなワードで検索しました。あんまり高すぎると頼みづらいし、安すぎてもモチベーションが保てません。皆さんはどうしているのか相場の決め方をまとめてみました。

ライティングには料金を決める物差しがたくさんある

ライター料金の設定では物差しがいくつもあります。1記事いくら/1ページいくら/400字ごといくら/A4用紙1枚いくら/1文字いくら/1冊いくら/印税、など。いろいろ調べてみて見かけた相場をまとめました。

■ 400字あたりいくら:数百円〜10,000円

ピンからキリまでありますが400字あたりだと上記の範囲内のようです。起業前に東京のライターさんを検索すると「5000円」という設定が多かったので、私は起業時からテキスト作成料金を「400字あたり5000円+税」にしています。

■ 1記事いくら/1件いくら:50円〜20,000円

雑誌やフリーペーパー、ネット記事のライティングでは1記事/1件あたりの設定が多いようです。版の大きさ、内容、レイアウトによって仕事量はずいぶん変わりますが、これは取材や調べもの、移動をひっくるめての料金です。調べものに時間がかかったり、取材で半日つぶしても金額は変わりません。

この料金設定では、ベテランでも数年前から料金が頭打ち(もしくは減少)になっているケースが多いようです。総じて紙の仕事よりネットの仕事のほうが安い傾向があります。クラウドソーシングのサイトを見ると1記事数十円のような驚愕の安価案件がたくさんあります。引き受けるかどうかは個人の自由です。

■ 用紙1枚いくら:文字数を設定して換算

ライティングに詳しくないクライアントさんは400字といってもボリュームの実感がわかりません。「1枚いくら」のほうが話は通りやすいです。

ただ「1枚」で想像する量は十人十色。A4版1枚が1200字だと考える人もいれば、もっとぎっしり2000字と考える人もいます。文字の大小で分量が全く違うので、1枚に何文字入るのか発注元と受注側で基準を決めておかなければトラブルの元。必ず事前に擦り合わせましょう。

下記のブログ記事は、クライアントさんから「400字って結局どれくらいなの?」と聞かれたときに、画像ですぐボリュームを示せるように作ったものです。文字量画像は自由に使って構わないのでぜひ参考にしてください。

■ 1文字いくら:0.2円〜15円

ある程度まとまった分量を引き受ける前提で、1文字換算になるケース。400字に換算すると80円〜6000円。翻訳案件などでよく見かける計算方法です。

■ 1冊いくら:50万円〜130万円

1冊は200ページ前後、文字数にすると12万字〜16万字。書き終わった原稿を著者や出版社に買い取ってもらう料金です。印税ではないので、本が売れても売れなくても支払いはこの金額だけになります。

作業に1カ月以上はかかります。その間の他の仕事をストップ(または調整)する必要があるので生活費なども考慮して支払時期を相談します。取材交通費、テープ起こし費は別立てで請求できればベストですが、最近は難しくなっています。

■ 印税:本の定価の2%〜10%

出版社が設定する著者印税は10%ほどが上限で、初めての出版では8%ということもザラです。自分が著者なら印税分は丸々取り分になります。ブックライティングなら4:6や3:7などの割合を決めて著者と印税を按分します。割合は貢献度や関係性で上下します。本が発売されてからの支払いなので、しばらくは手許に来ないお金です。

ライティングの仕事は時給で換算できない

会社や工場に勤務するように「拘束される働き方」なら時給での換算が可能です。行っている時間だけ確実にその人の時間を提供しているからです。しかしライターの仕事に時給換算は適していません。

なぜなら、たとえ400字の仕事でも決められた時間に取り組んでパッとできるとは限らないからです。図書館で調べたり人に聞いたり、お風呂で考えていたり、夜中に急に書き出したり、時間では計り切れない作業が発生します。拘束時間という考え方が当てはまらないのです。

ライティングの料金は「時間に対する対価」ではなく「成果物に対する対価」です。人によっては30分で仕上げるかもしれません。でも納品された原稿がクライアントの要求レベルに達しているなら、それで数万円の仕事になることもあるでしょう。逆に3日間考え抜いて同じクオリティの成果物を作るライターもいます。

どちらのタイプのライターも現に存在します。優劣というよりスタイルの違いです。ただどちらも時給で換算するとスキルに見合わないのは確かです(早く良い仕事をした人が安くなり、時間をかけるほど高くなる計算なので)。

時給は、料金設定を考えるときに使うなら便利です。「この仕事は6時間くらいかかりそう、この専門性なら時給2,000円としてトータル12,000円だな」と考えれば、仕事量に合った満足できる報酬目安を出せます。自分だけの目安ならいいのですが契約上で時給換算を用いるのはあまりお勧めしません。

テキスト以外の料金も考えなければいけない

テキスト以外の料金とは「取材費」「交通費」などです。ライターの仕事では書くだけではありません。「時間を割いて相手が話しやすい雰囲気を作り、テキストに必要な話を引き出す」というのはライターの専門技能の一つ。報酬をいただけるスキルと考えて、私は別に設定しています。

料金を表に出さないほうがいい、という考え方もある

私はクライアントさんに安心して検討してほしいので、サイトに料金を明示しています。でもライターによっては「仕事内容や相手など条件が毎回違うので、料金は表に出さない」という人もいます。とても安い料金で引き受けることもあれば、相場より高い料金になることもあります。

 

書く仕事 料金

以前、長年出版界にいる先輩から「そんなに料金を決めつけていたら頼む人も頼まなくなる」とアドバイスされたことがありました。たしかに臨機応変で緩やかな決め方が好まれるケースはあります。ただ、私の場合は一般企業のクライアントさんが多く「サイトで料金がわかったから頼んだ、安心できた」とよく言われます。

その経験から、自分が「どんなカテゴリーのお客様とおつき合いしたいのか」によって、料金の見せ方は違っていいと考えています。

まとめ

調べてみて、ライター料金の世界は本当に奥深いというのが正直な感想です。

自由に料金を設定できる仕事だからこそ、自分が作業をしてがっかりしないラインがどこか、意識してから決めるのが一番ではないでしょうか。この記事が参考になればうれしいです。

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