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[書評]『まちの本屋 知を編み、血を継ぎ、地を耕す』田口幹人著 を読みました

[書評]『まちの本屋 知を編み、血を継ぎ、地を耕す』田口幹人著 を読みました

SNSで評判を見かけて気になっていた本『まちの本屋』を買ってみました。岩手・盛岡のさわや書店に勤める田口幹人さんが、書店の今と未来についてご自身の経験を絡めて書かれています。全体で170ページほどなのですが示唆に富んでいて、閉じた後もしばらく考えを巡らせていました。

タイトルから単純に「ああ、書店員さんが今の本屋さんについて書いたのか」と思っていたのは間違い。たしかに田口さんの立場はそうなのですが、内容はもっとたくさんの角度から読めます。

書店の今と未来を語る本でもあるし、地域振興の話でもある。書店以外で働く人に「あなたの働き方はどうか」と突きつけるものでもあるし、本好きが本への愛情をにじませる本でもある。どの視点でもきっと自分と重なるところがあって、1行読むたびに「自分はどうなのだろう」と振り返りたくなります。

書店について言えば、本が売れないという前提を取っ払ってこれだけのことができた、とたくさんの事例が載っています。これは全国の本屋さんの参考になるし、作り手の端くれとしては「この人たちに売りたいと思ってもらえる本」を作らなければと気持ちが引き締まります。

働き手としては、愚痴りたくなる環境を変える努力をどれだけしているのか考えさせられます。田口さんはご自身のどん底の経験を踏まえて、まだ恵まれている、まだこれだけできる、と前に進みます。自分は果たしてそこまでやり切っているのか。

もう一つ大事な要素で「身の丈」という言葉がよく出てきます。卑屈になるわけではなく、違う得意分野を持つ人や店と組んで何を発揮できるか。

地域振興のくだりでは、私の出身地である松本市を思い出しました。昔は街の中心地に鶴林堂書店という老舗があり、営業職のときはお客様だったので社長さんともよくお話をしました。でも私が退職して数年後にお店は閉店してしまいます。松本の「知の殿堂」のような存在だったので地元でもニュースになりました。

田口さんが書かれているような苦悩をあの頃の社長さんが背負っていたのではないかと思うのと同時に、もっと違う関わり方ができたのではないかと(今更なのですが)悔やまれます。もうちょっと知恵があったらなあ。メディアを使って何か助けになれたのかもしれない。

サブタイトルに「知を編み、血を継ぎ、地を耕す」とあるのですが、まさにこの本自体が業界そのものを耕す1冊だと思います。名前を出してここまで踏み込まれた田口さんの覚悟を感じました。

本はただのモノではないけれど、高尚で神聖なモノでもない。いつもそばにあって、たぶんこれからも一緒に過ごすはず。どうやってつき合うか、作るか、売っていくか。本に関わる人であれば、たぶんページをめくるたびに「ああ…」と考えて立ち止まるのではないでしょうか。


この本と一緒にお薦めしたいのが次の2冊です。田口さんは本屋さんの中から声を上げていますが、別の場所から書かれた本もあります。

 

■『走れ!移動図書館』鎌倉幸子著 ちくまプリマ—新書

震災の経験から本が人にとっていかに大切な存在かを痛感し、取り戻すための奮闘記です。

 

■『石塚さん、書店営業にきました。』石塚昭生著 ポット出版

書店営業はどんなふうに本屋さんと協力して売るべきか。流通についても勉強になりました。今は電子書籍版のみのようです。

 

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