1978年の大河『黄金の日日』に商いの基本を見た
日頃からNHKオンデマンドをよく利用しています。私が選んでいるのは過去の作品が見放題の「特選見放題パック」。NHKに残るすべての映像とまでいかないのは残念ですが、なかなかお目にかかれない古いドラマやドキュメンタリーがあって楽しめます。大河ドラマも入れ替わりながら過去のラインナップが公開されています。
今回見たのは現・松本幸四郎さんが市川染五郎さんだった頃に主演した『黄金の日日』。大阪・堺で生まれ育った商人 納屋助左衛門の半生と一緒に、信長・秀吉・家康と移っていく時代の流れを追います。
戦国時代が舞台になるとほとんど武士が主役になりますが、このドラマは市井で暮らす人、中でも交易で暮らしている人たちにスポットが当たり、見応えがありました。
見ていて印象に残ったのは、当時のほうがよっぽど自由でグローバルなこと。ドラマは貨幣経済を重視する信長が商いのルールを変えていったり、お金が集まる堺を手に入れようとするところから始まります。
その頃の堺は自治があり、船を仕立てて外国と交易したり、鉄砲をどんどん改良して武士に売ったり、お金を用立てたりと大活躍。ルソンのシーンは当時のフィリピンでロケを敢行したとのことで、異国・異質の感覚が伝わります。
船は潮の流れを利用するので、1年に1回しか「行く時期」がないんですね。行った先では半年・数年の滞在が当たり前。時間の流れ方がちょっと羨ましい。人買いなんかは海を縦横無尽に行き交っている。
よく「浪速の商人」といいますが、その根っこが生き生きと描かれているので、やっと教科書で読んだことが立体的にわかりました。港って大事。
主人公が納屋番から豪商になる間の「商いの広げ方」も勉強になります。本当に「必要なところに必要なものを持っていってお金に換える」のが商売。物々交換から付加価値のある「商品」に気づくくだりは今の自分たちにもつながると思いました。
思い入れたっぷりに見ていると最後の数回はいろいろ考えてしまうのですが、通して視聴できてよかったです。
ちなみに、これまでオンデマンドで見た大河は『翔ぶが如く』『徳川家康』『おんな太閤記』『武田信玄』『独眼竜政宗』『信長』。総集編しかないけど見たのが『春の波涛』『北条時宗』。リアルタイムで全話見たのは1個もないかも…。でも文明の利器のおかげで再会できました。
前世紀の大河のほうが自分には合っているみたいです。CGなんて使わなくてもドラマは面白くできる。うん。
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