[書評]『資本主義の終焉と歴史の危機』水野和夫
このタイトルでなかなか自分で手に取ることは少ないのですが、珍しくうちの父が「これ読むといいよ!!」という推薦メールと、しばらくしたら現物を送ってきたので読んでみました。なるほどー。資本主義が終わりそうだという意味がわかりました。
資本主義とは「中心」と「周辺」が必ず存在し、周辺を利用することで中心が富む仕組み。それも全体の15%しか富の側につくことができない。先進国といわれる国々は地球上でたまたまその15%にいるだけで、周りはこれから成長しようとしている。
本では12世紀の資本主義黎明期から16世紀の「革新」などに触れつつ、相似形になっている現在の状況を解説。数世紀を貫いたいろんなグラフが出ていて、それを眺めているだけでも結構新しい知識が入ります。
昔から「中心」の全部が富んだあとは新しい「周辺」を開拓して資本主義が続いてきたんですよね。近年は土地などに限りが出て金融などがサイバーな「空間」を周辺扱いして中心が儲けるシステムを作り上げたところ。
でも次の「周辺」は?
そう考えると資本主義システムそのものが成立しなくなり、それに寄りかかった改革をしていても根本が解決できない、と著者は述べます。たまたま日本が世界に先駆けて資本主義の行き止まりまで来たので、次の方法を考えて世界を引っぱる好位置にいるとのこと。
マクロな理屈はわかった、でもミクロな自分の生活はどうなるのかなあと思いつつ読んでいました。結局、自力で新しいところを開拓するのが唯一ミクロ組にできることなのかな。
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