ライターの原点は、TV番組のリサーチ[2]
前回、NHK『スタジオパークからこんにちは』のゲストリサーチのため、大宅壮一文庫でかなりお金をかけて材料を集める話をしました。
今日はその続きです。
普通の図書館とは違って閉架式なので、記事タイトルと勘を頼りに「欲しい情報がありそうだ、エピソードが拾えそうだ」と思う記事を選び、閲覧申込書にタイトルを申請して(1枚に10冊分しか書けない) 、本の現物を取り寄せて記事をチェックします。
サッと流し読みをして「番組で使える」と思う記事をピックアップして、今度はコピーを申し込みます。1枚60円です。その束を事務所に持って帰って読み込みます。
昔のインタビューを全部そのまま使うわけではありません。今回の番組出演の目的に適っていそうなエピソードや考え方だけを拾っていきます。
インタビューの記事を見ていくと、文字になっていなくてもその人のカラーが見えてきます。譲りたくない軸や考え方がうっすら浮かび上がってくる。その人らしさ」が見える話も番組で表に出していきたいポイントなので、拾います。
アルバイトの仕事は、記事の該当の部分にマーカーで線を引いて、改めてパソコンにエピソードをまとめるところまで。苦労したこと、トラウマになった事件など、その人にとって大切なエピソードは何度も読むので、リサーチを経て好きになったタレントさんや俳優さんが何人かいました。やっぱり表面的な印象だけでは人はわからないものです。
まとめる枚数はだいたいA4で2~3枚ほど、出来上がったら構成作家さんへ渡します。作家さんは実際の記事とそのピックアップを見ながら、どんな順番で番組に出していくか、どういうきっかけでその話に触れるようにするかを考えて構成表を書きます。
私が作ったリサーチ結果は、司会のお二人の事前確認資料になっていたようです。あの頃は堀尾正明アナウンサーと女性MC(高見千佳さんなど)が司会でした。生放送の前に自分が作った資料を読み込んで理解を深められていたと思うと、今でもちょっとワクワクします。この体験が今のインタビュー業務につながっています。
2019/11/8追記
有料noteマガジンに当時の事務手続きや準備した内容をまとめています。
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