社員紹介・自己紹介では何を書けばいい?

社員紹介・自己紹介では何を書けばいい?

万年筆と便箋

どんな仕事でも、仕事そのものを紹介するより、携わっている「人」を紹介したほうが深く立体的に見えてきます。だからこそ、求人ページには在籍社員のインタビューが載り、社内報には新人の一言が載るわけです。コンテンツとしてはとても有効。みんなわかっている。でも、どうやって書けばいいんだろう。悩む人は多いようです。

社員紹介・自己紹介の目的をはっきりさせる

まず、なぜ社員紹介/自己紹介を必要とするのか目的を明文化してみましょう。「どこ」に載せて「何」を伝えたいのか。1行で表してみます。

・[社員が読む社内報]に載せて、今年入った人の顔を覚えてほしい
・[外部が読むホームページ]に載せて、会社が元気な印象を残したい
・[求人サイト]に載せて、やり甲斐がある業務を伝えたい

では、その全体の目的に沿って、個人の紹介でどんな目的があるのか、これも明文化しておきます。

たとえば[外部が読むホームページ]に載せて、会社が元気な印象を残したいのであれば、登場する社員は「元気」だと読み手に伝えなければいけません。個人ごとに伝えるべき軸を1行にまとめます。

・Aさんは、大きな声で挨拶をするのが長所で評判が良い
・Bさんは、いつも笑顔を絶やさないムードメーカー
・Cさんは、粘り強い交渉で大きな契約をまとめ上げた

おそらく人選の段階で「なぜこの人に出てほしいのか」が明らかになっていると思います。それを1行にまとめてこれからの指針にします。

基本情報は落とさず書く

記事では「名前/属性/年齢/何をしているのか」という人物の基本情報を欠かさず書きます。

採用サイトで同じ営業職として紹介されていた場合、「入社2年目」と「入社15年目」という情報があれば、読み手がキャリアを想像しやすくなります。業務内容もただ「営業職」と書かれるより「法人向けの新規開拓/補充を主体としたルートセールス」など何を担当しているのか書いたほうがわかりやすいですよね。

書き手にとって当たり前の情報も、読者にとっては新しい情報です。基本属性をなるべく詳しく書くことで何も知らない読者に人物の具体的なイメージを伝えられます。

目的に合った具体例を入れる

なぜ「この人は元気だ」と実感したのか、具体的なシーンを抽出します。先ほどの指針を見て「どんな場面でこの長所が発揮されたのか」を考えると出てくるはずです。

ただ「大きな声で挨拶する」という事実だけでなく、いつどんなシーンで発揮されて、どんな反応を起こしたのか、具体的であるほどイメージが伝わります。たとえばAさんは業績が落ち込んだ時期でも必ず大きな声で挨拶するのかもしれないし、みんなが苦手だったお客様から明るい挨拶で信用を得たのかもしれません。具体性があるほど人柄が浮かび上がり、人物が身近になります。

通販番組でもある手法ですが悪い状態→良い状態にした/変えたという構成は使いやすく、自己紹介や社員紹介で応用できます。

その人にしかないオリジナルを探す

最後にその人物にしかないオリジナルのポイントを1つ入れます。仕事に関係する事柄でも、趣味でも、特技でも、その人ならではの印象的な口癖でも、何でも構いません。他の人が真似できない何かを探します。

たとえば自己紹介文で「がんばります」という言葉で締めるのはよくあるパターンです。一言でも「ラーメンの食べ歩きをしています」「イタリア語が話せます」というように「その人ならでは」の要素を入れるとグッと印象深まります。

仕事関係のテキストだからといって、すべて仕事がらみにする必要はありません。むしろ人を紹介するなら「オンの時間に見えないオフの姿」のほうが味が出ます。「テレビドラマを全部チェックしています」「家庭菜園をやっています」のように、仕事と関係ないほうが記憶に残ります。

文字数に合わせて書く

書くべき情報は揃いました。

一番短いパターンなら下記を並べるだけでも紹介ができます。

基本情報
+目的に合わせた具体例
+その人しかないオリジナルの情報

文字数を増やしたいなら、具体例を増やします。

基本情報
+目的に合わせた具体例その1
+目的に合わせた具体例その2
+その人しかないオリジナルの情報

この組み合わせで長くしていくだけです。この3要素が入っていたら表現力が多少稚拙でも最低限の内容は伝わります。文章上でうまくきれいに書こうと心がけるよりも【要素がちゃんと入っているか】を確認して探し出すほうが、結果的に印象深い紹介文になります。

「うまい文章」については、こちらの話もご参照ください。

「うまい文章」を書く前にありがちな誤解

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