話し上手は聞き上手、になれた日
「話し上手は聞き上手」という言葉があります。話が上手な人は相手の話を聞くのもうまい、という意味です。「話し上手」にはアピール力があって面白い話が次々にできるイメージがありますが、相手の話を聞く効果はそれに匹敵するんだな、と実感した瞬間がありました。
私には90歳を超えた祖父がいます。私やお姑さんが生まれるずっと前の話を鮮明に覚えているので、たまに昔の話で盛り上がります。昭和や大正の時代について私から話せることはほとんどないので自然と聞く時間が長くなります。
あるとき生い立ちから始まって戦争が終わるまで、3時間かけて話した日がありました。気がついたら3時間経っていた、という状態で、時計に気づいた祖父は「いやあ、話がうまいね。ついこっちも話してしまった」と言いました。
私は相づちを打って話の続きを聞いていただけなのですが、それでも相手の感覚からすると「話がうまい」になっているのです。
そういえばプロフィール作成などでインタビュー取材をしていても、ほとんど相手の方が材料を提供している状態なのに「話がうまいよね」と言われることがよくあります。
会話の相手を「話し上手」と表現するときは、厳密に「発信が上手なこと」を意味しているわけではなさそうです。ということは、話し方やアピール力を磨かなくても「話し上手」になれるのではないでしょうか。
私が関西に住んでいるときは本当に話し上手な人が多く、自分の話し方は弱いと感じることがありました。でも聞き方なら方法があるし、日々試して効果がわかっています。祖父の一言で話し方のコンプレックスから抜けることができました。
経験をまとめた聞き上手セミナーと会話のコツまとめがあります。
「聞き方」を動画で学べる!
-
前の記事
ライターが実践している、聞き上手になる方法 2013.06.18
-
次の記事
傾聴は普段使いができるのか? 2013.06.24