文章作成、実は書き方より「直し方」が大事
分かりやすい文章・伝わる文章について、いろんな方が書き方を説いています。私が10年以上校正や執筆など文章に関わる仕事をしてきて思うのは「書き方よりも直し方が大事」。どう書くかよりもどう直すかで、最終的な文章の質が決まります。
どんなプロでも書いて推敲なしでそのままOKというのはあり得ません。必ず見直します。むしろ、直しながら目的に合わせて文章をブラッシュアップしていくのがプロの仕事といえるかもしれません。
直すとき、もっとも基本的なのは【同じ文を最低2回はチェックする】こと。
2回目:文のねじれ、文の筋道、構成の良し悪しを「読む」。
1回目は誤字脱字のチェック。
「怒ります」→「起こります」
のような間違い探しです。単純な間違いほど放置すると恥ずかしいのでしっかり見直します。
2回目は文がちゃんと成り立っているのか考えながら読みます。「てにをは」がねじれていたり、付け足した1文が浮いていたりするのをチェックします。
「京都はビルが観光客で混んでいます」→「京都は観光客で混んでいます」
1回で両方チェックしようとする人がいますが、目的が違う作業なので絶対にヌケ漏れが出ます。急がば回れで、必ず集中する対象を変えて2回見直す。大きな間違いはこれでかなり防げます。
さらに余裕があるとき見直したいのは、文章の語尾や言い方など書き手の思考に関わる部分です。
見下した考えを持っていたら見下した文章になり、自信がない文章は回りくどい言い回しがたくさん出てきます。これらは読後感に影響するので、私はなるべくフラットな表現/フラットな立場で書くように心掛けています。一晩置いて読み直すと余計な色が見えてカットしやすくなります。
決して1回で完全な文章を書こうとは思わないでください。最初は完全ではなくても、書き切った文章なら直しながら完成に近づけられます。うまく書くより、うまく直すほうが早くて良い文ができます。
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