プロのライターがインタビューするメリットとは
「聞いて書く」だけなら日本語の読み書きができる人みんなが可能です。でもわざわざお金をいただいて「インタビューライターが聞いて書く」ことの意味とメリットは何か。先日取材&ミーティングをしていて気づいたことを書きますね。
■ 書く前の交渉と調整ができる
現場で起こりがちなのは、相手から「これもあれも入れてほしい」と要望が出ること。プロは「この話はここに入れられます」「この話は今回の筋から考えるとカットしたほうがよいと思います」「あふれた内容はこの項目でフォローできます」といくつも案を出します。すでに頭の中に設計図があり、どのくらい文字を調整すると入るのか、目安がつくからです。
これを「全部入れます」と言って持ち帰ると原稿が破綻してしまうんですよね。だからクライアントと現場で全部調整します。書き上げたときの印象が共有できると大きな直しは起きません。現場での交渉で納得していただくのもプロのスキルなんです。
■ 的確な質問ができる
作りたい形(ゴール)がわかれば準備ができます。準備をすると現場では道を外さない質問ができます。うまく質問ができれば原稿に必要な情報が得られます。
必要のない情報をカットしつつ、聞きたい部分を深く聞く質問力は欠かせません。ライターはそれぞれやり方やコツを持っています。頭の中でフォーマットを用意しつつ、アドリブが可能です。
以前、クライアントの方がその先のお客さまにインタビューした音声を聞く機会がありました。聞いた10秒ほど、会話1往復半の間に、私の頭では「これを聞かないと具体的な話にならない」「この部分をもっと深掘りするべき」「こんな聞き方もできそう」というアイデアが5つ6つ浮かんでその場で提案しました。
もし現場で私がインタビューしていたら、その場で質問して情報を拾います。
■ 読みやすい構成に直すことができる
インタビューの内容を聞いた順番で載せることもできますが、読みやすさを考えると必ず加工が必要です。対象の読者はどんな話題から始めれば読んでくれるのか、どの事例をピックアップするのかを考えて内容を入れ替えます。
対象の読者がどんな語彙を持っているのか、考えながら書くのもプロの仕事です。若い女性が対象なら「リンクする」「つなげる」と書くのを、年配が対象のテキストなら「繋げる」「関連づける」と言い換えるなど、いくつか方法があります。
…上記3つはプロとして活動するライターなら外せないのではないでしょうか。
聞いたけれどまとめるのに1日かかった、聞いたわりに情報が残っていない、そんな悩みがあったらぜひプロのインタビュアーに頼んでみてください。コストはかかりますが、原稿の質が上がり、余った時間でほかの仕事を進めることができます。
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