私がどうしてインタビューの仕事を始めたのか?
私はもともと営業の仕事をしていて、中小企業の社長さんとお話しする機会が多くありました。腕一本で事業を立ち上げ、従業員のお給料と家族まで面倒を見ている社長さんはパワフルで独創的です。
うちの父はサラリーマンだったので、出会った当初はそんな仕事のやり方もあるのかと目からウロコでした。
数年経って、今度は大企業の組織の中で社内報をまとめる仕事に就きました。社内には研究を進めている人、華やかな企画開発を行っている人、新製品に合わせて生産調整をする人たちがいます。話を聞いてみると、中小企業の社長さんたちと同じように皆さんそれぞれにドラマがあることがわかったんです。
特に毎月掲載する定年退職の方々の顔ぶれをみるたび
「ここの会社に入ったあと結婚したのかなあ」
「お子さんたちを学校に入れて来たんだなあ」
「もうお孫さんもいるのかー」
と一人ひとりの「仕事人」の背景が浮かび上がってきます。
ただし社内報では注目される職種やグループが開発や宣伝関連などに限定されがちです。でも一生懸命仕事をしている人たちが確実にいる。社内だけでなく、社会にはたくさんそんな人たちがいる。
せっかくスキルと信念をもって仕事を続けているのに、あまり注目されないのは勿体ない。何かその人たちが報われるような、「すごいよね、よくやってきたよね」と讃えられるような、そんな機会を作りたいと思いました。
自分にできるのは聞いて書くこと。有名人・著名人だけに歴史があるわけではなく、働く人みんなに大事な履歴があります。それを辿るのは面白いのではないか、と考えたのが原点です。
だから独立するときは「インタビュー」というワードを軸にして、人物取材をメインに据えました。今でもお会いする人から学ぶことばかりで、この仕事を始めてよかったと心から思います。
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