奥野宣之さんが話す「目が洗われるような本棚」

奥野宣之さんが話す「目が洗われるような本棚」

先日『情報は1冊のノートにまとめなさい』『できる人はなぜ「情報」を捨てるのか』の著者である奥野宣之さんとお話しする機会がありました。奥野さんが現代語訳した『学問のすすめ』の読書会に出席し、そのご縁からです。

奥野さんはもともと大阪で業界紙の記者経験があり、情報の取捨選択もその頃に培ったとのこと。シンプルで使いやすくないと続かないし、だからこそ紹介した方法が世間で大ヒットしたのだと思います。

作家活動以外にもライティングの仕事をされていて、お話を伺っていると私の仕事とかぶる面積が大きいことに気づきました。特に「インタビュー」や「本」については現場で経験したからわかる感覚があります。

どんな人にインタビューすると面白いか、聞いた話をどうやって構築し直すのか、ある人はこんなやり方だけれど自分はこうやっている、などなど。言葉以前の概念をどう言語化するのかは、話すほど言いたいことが出てくる(笑)

奥野さんの本を読んだ方はわかると思うのですが、奥野さんの文章の面白さは「例えのうまさ」。同じことを表現するのに、予想しない言葉を組み合わせて「そうそう!」と大きくうなずきたくなるフレーズにしてしまうのです。

お話でも「目が洗われるような本棚がある」というフレーズは印象に残りました。いま書店チェーンの棚はどこも同じようなラインナップになっているのですが、こだわりがある書店の棚は個性的です。奥野さんは、そんな場所の本棚は「目が洗われるよう」だと表現しました。

最近お気に入りの本屋を見つけた私は「たしかに!」とうなずきました。必ず本を買うわけではないのですが、行って棚を見て、深呼吸したくなる場所。棚に並んでいるタイトルをバーッと俯瞰するだけで、自分の「知」の部分に良い刺激を与えてくれる場所。奥野さんにとっては専門分野の蔵書が多い大学図書館にも同じような効果があるそう。

皆さんにも「目が洗われるような本棚」はありますか??

話し言葉は本人の思考回路と一番直結する表現方法なので、奥野さんの発想力を堪能して帰ってきました。うまい言葉ってなかなか出てこないです。さすが。

思考の土台は「全方向への好奇心と探求心」であることはいうまでもありません。いろんな書名、アーティスト、本の引用、自分の意見。蓄積があるから発想があるんですよねえ。

先日、奥野さんのあるベストセラーが文庫化されています。過剰な情報をどう捨てるか、捨てっぷりが気持ちよい本です。情報の扱い方と名づけ方がやっぱりうまい…。

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