[書評]できる人はなぜ「情報」を捨てるのか 奥野宣之著
先日、この本をいただきました。『情報は1冊のノートにまとめなさい』シリーズの著者、奥野宣之さんの文庫化書籍です。
元本はPHP研究所から出ている『情報は「整理」しないで捨てなさい』ですが、2013年に合わせて一部リライトしたとのこと。書き下ろしのまえがきで「情報過剰で死なないための闘い」という言葉にガツンとやられました。まさに今溺れそうなところ…。
奥野さんは業界紙の記者経験があり、日々新しい情報に接しては取捨選択を繰り返してきました。その頃から培ったメソッドを日常でも活用できるよう、奥野さんらしくきれいに整頓された本です。
第1章では潔すぎる捨て方に圧倒されます。情報を得たら間髪入れずに判断して、要らない部分を「古紙入れに捨てる」「破って残す」「ゴミ箱に入れる」「駅で捨てる」「斜線で消す」「シュレッダーで処分する」。躊躇なし。
第2章以降、どうしてこんなにザックザック捨てる判断が可能なのか、どうやって実践すればいいのか、段階を踏んで説明されています。
①目を作る
②広く情報に触れる
③使えるかを判断する
④捨てる・拾う
繰り返し出てくるこの4ポイントが肝。いきなり④から始めるよりは、①から順番に試してみることをおすすめします。私も書く仕事をするので本やネットから情報を得ての作業が多いのですが、辞書や新聞の選び方は意識したことがなかったので参考になりました。
自分にとって本当に必要な情報を見極める。それ以外は「捨てる」。その勇気の作り方が書いてあります。
また、奥野さんは情報を以下の2つに分けて考えています。
外からの情報
自分由来の情報
意外と捕まえられないのが「自分由来の情報」で、このストック次第でアウトプットが目に見えて変わります。「必要な情報」の代表としても挙げられているのがこれ。ただの羅列ではなく温度と自分だけの価値を盛り込んだ「情報集」にするためにどうすればいいか、第5章では詳しく書いてありました。
ご本人もどこかで書かれていたのですが、これが文庫化されて686円なのはお得。情報の海で呆然としているあなたにおすすめです。
「聞き方」を動画で学べる!
-
前の記事
世紀末に読んでいた99冊 その5 2013.01.15
-
次の記事
奥野宣之さんが話す「目が洗われるような本棚」 2013.02.01