【本】そういや誰が西洋と東洋を分けたんだろう
- 2011.07.07
- 更新日:2013.07.25
- 書評・評論
梅棹忠夫の『文明の生態史観』(中公文庫)。
1955年のアフガニスタン・パキスタン旅行から書かれた論文を下敷きに、1967年に上梓された本。今なお読み継がれる比較文化論の古典。
「西洋」と「東洋」で二分されている世界観に「中洋」という新しいエリアを提起して、論文を発表した当時はずいぶん論争になったそうです。考えればいまでも「西洋と東洋」以外は第三世界とか言ってるのだから、意識は変わっていないのかも。
文章は50年前のものなので、言葉の端々から当時の匂いがします。日本人は「日本論」が大好きとか、アジアの範囲はどう認識されているのかとか、今ほど渡航者が少なかった東南アジアや中東がどんなふうに認識されていたのか、などなど。
1冊の本を書こうと思って書かれたのではなく、1つの論文をきっかけに考えが展開されている流れなので、「ああ、学者さんってこうやって広げていくんだな」と見るのも面白いです。
▲今の表紙はもうちょい新しいです
「聞き方」を動画で学べる!
-
前の記事
inDesign講座を受ける〜たぶん8万円中3万円くらい損してた 2011.07.06
-
次の記事
【本】関西のお笑い脳はこうやってできてるのか 2011.07.08