分野が違うライターさん2人に会ってきました

分野が違うライターさん2人に会ってきました

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先日、ライターの佐々木恵さんと真崎睦美さんにお会いする機会がありました。ジャンルやスタンスの違いでも刺激をたくさん受けて帰ってきました。

これは嫌われているんじゃなかろうか

ふと投稿した一言が誰かの何かを刺激して、新しい展開を迎えることがあります。まさに今回もそのパターン。きっかけは誰かがシェアして私のフィードに流れて来た真崎さんの7/2ブログ記事でした。

正直、読み終えたあとに「ライターの仕事ってこんなにつらかったかなあ」とか「働き方のほかに捉え方もさまざまだなあ」という思いがあったのでFacebookにシェアしました。

一口に「ライター」と言ってもいろいろあるのだな…。面白いのはジャンルや業界によって捉え方が全然違うところ。たぶん私はこのブログ主さんから離れたところに立っている。どちらが良いというのではなくて。

この投稿は私にしては珍しくいろんな方からコメントをいただきました。主にライター業の先輩方です。たしかに厳しい言葉は並んでいますが、私にもわかるところがあるので「そうですよね」という返しをしたり。

この投稿を読んだ佐々木さんが、偶然ブログ主の真崎さんとお知り合いということで7月下旬に時間を調整していただき、3人で会うことになりました。おー。

ちなみに佐々木恵さんは私と同じようにごきげんビジネス出版から教育関連の電子書籍を出しているプロ家庭教師。ブログでもいろんな子育ての悩みに答えています。

会ったらいろいろ聞いてみたいなとは思ったんですよ。まずライター職に就くまでのプロセスが三者三様で違うはず。ルートも違えば周りの状況も違うし、書く内容も違う。おそらくめざす目標も違う。

真崎さんがあえて接客業を副業にするという選択も、どうしてそうなったのか、精神的なダメージはどうやって回復させるのか、知らないことがたくさんありそうです。どちらが良い悪いではなくて、何か自分にはない視点を吸収したい!と思って楽しみにしていました。

しかし、後日(7/14)のブログはちょっと不穏な空気…。

うお、ここにある年上ってぇのは自分のことじゃないのか? うーん「嫌われ」のカテゴリーに入っている可能性が高い…。いや、それでもあえて「会いましょう」と言えるのもすごいのではないか。自分だったらたぶん会わない、というかいろいろ考えて会えない。というか怖い。そこを乗り越えてというのは何が待っているのだろう。

真崎さんのプロフィールや文章を見ていると、エキセントリックな経歴や言葉にも出会います。タイプは全然違うはず。感情が乗った表現や面白く着地させていく構成はうまく、たぶんこういう人が私の文章読んだら何の取っかかりもなく「つまらん」と思われそうです。きっと言いたいこともあるだろうなあ。

いろんな意味でマイナススタートになりそうだなと思いつつ、当日は怖々待ち合わせ場所に向かいました。

構えたぶん、拍子抜けした

待ち合わせのお店ではすでに食事をしていたお二人とご挨拶。どちらも初対面です。佐々木さんはFBのつながりがあるので写真でお顔を拝見していました。

真崎さんは今回本当に初めまして。なんというか、普通の真面目なお嬢さんでした。後日の「年上」記事からすると、もっと敵意のようなものがむき出しになっているんじゃないかとか、自分のやり方にこだわる人じゃないかとか、勝手に想像していたのですがすみません。本当に勝手な想像でした。「会うまでかなり緊張しましたよ!」という告白をしても大丈夫なくらい。

それぞれどんな仕事をしているのか基本情報を共有していて思ったのは、佐々木さんも真崎さんも、生真面目なほど文章に取り組んでいること。特に真崎さんの場合はこれでもかというくらい文の深みまで潜っていって、圧も呼吸も苦しいのにずっと潜り続けて、最終的に何か掴んで上がってくる感じ。

たぶん私だとその半分を潜ったくらいで「苦しいから帰るか」と浮上してしまう。苦しさやつらさは感じないけれど、そのぶんつるっとした文章で終わってしまうのだなと思いました。

佐々木さんはたぶん正確さとか、傷つけないような気配りとか、細かいところまでちゃんと整頓された文章を書く人です。実際にブログや電子書籍を読んでいても無理なく情報が過不足なく入ってくる気持ちいい文章でした。私なら気を抜いてしまうところでもきっちりしている。目が行き届いている、という言葉がしっくりきます。

 言語の向こう側

真崎さんは私とタイプが正反対の文章を書くと思っていたので、文章の紡ぎ方について聞いてみました。そこで見つかった差は、真崎さんは「感じたこと思ったことをどんどん言いたい」考え、私は「こんな私が思ったことなんて表に出しても仕方なかろう」と考えるところ。

「認めてほしくて表に出す」という人もいるのですが、そうではなくて、認めてもらうかどうかは関係なく「とにかく外に出したい」感覚とのこと。生まれた瞬間に留めておけなくなる。だから文章にもそれが表れていて、感情がどんどん重なっていく表現になっていくみたいです。なるほど。

それに引っかかりのアンテナ感度が私とは違っていて、同じ道を歩いていても彼女なら10見つけるところを私は3くらいで終わってしまいそう。

この鈍さは何だろうかと考えて、一つ思い当たりました。私の場合はきっと、無意識のうちに「言語化できないもの」を排除しているのではないかと。これまでの経験上、これなら言葉になるとわかっているものは拾う。それ以外は拾わない、というか長年のクセで見ない、意識に上らない。

言葉にならない何かという存在は絶対その辺りにふわふわ浮いているはずなのですが、掴める人と掴められない人がいます。私は後者。でもそれは当たり前で、最初から落としていたらそりゃ見つからんですね。

言葉にできるといっても語彙がちょびっとしかなかったら、やっぱり限られた囲いの中でしか表現できません。それよりも五感で捉えたことや浮かんできたことを正確に受け止めて新しい言葉を探さないといけない。

どう見えているのか気になるけれど…

今回真崎さんにお会いして、演出や盛り込みがうまい人だと文と人が違うのかもしれないと思いました。中島みゆきも曲とMCではまったく印象が変わってしまうように。

佐々木さんは文章と人柄が一致している感じでした。真面目さが味になって文に出ている。タイプとしては私と似ていると思います(きっちり度が私にはまだ足りないけれど)。

何にせよ、会うってのは大事ですよね。私はこんな感想を持ったのですが、お二方からはどう見えているのか…。ちょっと気になりますが楽しい時間が過ごせてよかったです。


20150903追記)

佐々木さんもこの日のことをまとめてくださいました。そんなふうに見えていたのだなあ。ありがたいことです。

 

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