顧問税理士のような「顧問ライター」という考え方
士業では月額の顧問料をもらいながら専属でその企業をバックアップするスタイルがあります。税理士や弁護士がそうですよね。最近の案件を考えるとライターで「顧問ライター」という存在があっても面白いと思いました。
実際、それに近い仕事があります。一度サイトテキストなどでお取引をしたあとに「こんな文章書けますか」とご相談があって、「予算これくらいでここまでできますよ」とか「文字数これくらいならどうでしょう」と回答して、仕事になるケースです。
お客様によって要望はさまざま。業務にまつわるいろんな文章が出てきます。下記はその一例です。
メルマガ:
定期的に知らせたいことや蓄積した知識を送って、顧客の興味をつなぎとめておきたい。書きたいけれど時間がない、やってみたいけれど自分では難しい、というときに。
お知らせ・通知:
既存の顧客に向けて料金改定のお知らせや、スケジュール変更のお知らせをしたいときなど。ちょっと言いづらい話でも伝えなければいけない、というときに。メールやプリント形式などいろいろ。
セミナー案内などサイトの追加:
最初は理念や事業案内だけだったのが、新規でページを足すことになり、やっぱりまた頼もうというケース。セミナーを開催するので案内ページを作る、写真を使ったページのわかりやすい解説など。
取材のまとめ:
企業の社長さんが顧客向けペーパーを作る際、勉強も兼ねて話は自分で聞きたい、でも書いてまとめるのはこちらという案件。聞き方についてSkypeで事前にレクチャーしたあと、話を聞いたときだけ依頼が来ます。
個別コンサルや講座:
その企業に合わせた研修や個別コンサルも請け負っています。企業をこれからどう伸ばしたいのか、スタッフに何が不足しているのか。文章という大きな括りからさらに細分化して、ブログの書き方、導入事例の書き方、聞き方などに特化しています。
どの案件も共通するのは2点です。
・事業案内、プロフィールなどの作成で、すでに話をしっかり聞けている
・そのときに丘村の文体と制作手順に納得いただいている
細かい案件でも対応ができるのは、すでに理念や事業案内の作成で長めのインタビューを行って「うちの会社はこんなポリシーがある」「こういう誤解は招きたくない、この言葉は使いたくない」「根底にはこういう気持ちがある」という部分が共有できているからです。
で、そのときに書いたもので「これなら大丈夫」と思ってもらったら、何か文章が必要になったとき「丘村さん、こういうの書ける?」とお話が来て仕事になります。
形を整えて最低限の目的を果たす文章も作成できますが、お互いに上記を把握しているから書けることがいろいろあります。その辺りで先方の「頼んだら任せておける」感が生まれ、こちらも原稿確認やお支払いのタイミングを知っているので不安がありません。
面白いつながりだなあ、と考えていたら「顧問ライター」という言葉が浮かびました。顧問税理士や顧問弁護士と同じように、必要なときに相談して解決できる文章方面の担当者。
おそらくOL時代にやってきた「社内外にお知らせする文書づくり」や「プレゼン資料の取りまとめ」なんかも、こういう企業向けの仕事に生かせてるんでしょうね。
士業の顧問と違うのは月額での顧問料までは考えていないこと。本当は収益やビジネスモデルを考えたら定期的な収入として活用するべきなんでしょうけど、使う側から考えたらやっぱり「必要なときに頼む」「お金はその分だけ」が便利でしょう。しばらくこのスタイルで行こうと思います。
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