[書評]『「私は私」で人間関係はうまくいく』和田裕美
この著者の本を読むのは初めてです。交流会や勉強会で会う皆さんは和田さんのセミナー経験者が多く、いつも名前を耳にしていました。そうか、と思い立って買ったのがこの本です。
目の前で和田さんがジェスチャー混じりで話しているような文章で、どんどん読めます。「いい人」過ぎる人たちがもっと幸せになるためにどうすればいいのか、ご自身の経験を入れつつ軽妙な筆致で書かれています。気になった項目をいくつか書き出しますね。
その「美しい行為」がよくある売名行為的なものだったり、「みんながやっているしなあ」とかだったとしても、何もしないよりはいい。相手が喜んでくれて、自分も満足できるのなら、それでいいのです。 P.56
「私がやりたいから、まずは自分のために生きるわ」というのも、「私があなたの笑顔を見たいからあなたを助けます」というのも、自由意志による能動的な「私の自由な生き方」です。 P.57
実は、このブロックの間には著者が太字で書いた言葉(強調して伝えたい内容)があるのですが…私はその前後の言葉に惹かれました。
売名行為でも、相手と「自分が」喜ぶならいい。「私が」見たいからあなたを助ける。これを文字にする人は少ないように思うのです。ともすれば「相手を喜ばせるために私が犠牲になる」とか「純粋にあなたに喜んでほしいから」みたいな表現になりがちなところ、「私」がそうしたいからそうなのだと宣言する。
あんまり利他的な表現が続くと辟易してしまいます。ここまで割り切る人なのだとわかって安心しました。
「知らない人だらけの場所で輪に入っていくコツは、『私ってすごいんだ』と思い込むこと。そして引け目を感じず、けっして媚びず堂々とすることです」 P.78
これは私の中にはない引き出しでした。たしかに「どうせ私は…」の度が過ぎると面倒くさい人になります。ちょうど明日はそんな場に出席するので実践してみます(笑)
「私って、そもそもが誘われないんです」という人がけっこういます。P.120
この文から始まる【第4章「私は誘われない」という人へ】は私のことかと思いましたよ。登場するのも「女性ライターのOさん」です(私だ!)。ちょうど同じような悩みというか気になるところがあったので「どう解決するのだろう」と興味津々で読み進めました。
誘われないのは理由があって、それは「Oさんが望んでいないことだから」。態度と頭で考えていることが乖離していて、みんなは態度という本質を見て判断している。でもそれは「Oさんが求めない」からで「嫌われている」のとは違う。
解消する方法はちゃんと書かれているので、気になる方はP.122をどうぞ。
冒頭に出てくる「白キューピー」さんは去年私が携わった子育て本の編集者さんでもあり、あとがきに写真まであったのでびっくりしてしまいました。
本当にいい方で私は「懐が広い人だなあ」と思っていたのですが、ご本人にはいろんな悩みがあったのですね…。私には気が優しくて力持ちな印象があったので著者さんには「小柄なドカベンのような方です」と紹介していました。でも7キロ痩せたとのこと。こちらも気になります。
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