女性管理職は女性だから登用するの…?

最近は「女性管理職を増やそう!」という話をよく聞きます。たしかに他国と比べると女性が要職に就いている割合は低く、やっぱり男性優位だなと思う場面はいろいろあります。でも、だからといって立ち向かうスローガンが「女性管理職を増やす」でいいのか…? 女性としてちょっと違和感があります。
男女雇用機会均等法が施行されて間もない頃、当時もバリバリ働きたい女性たちがコミュニティを作ったり、世間に(ネットとは違う形で)発信したりして、動きが注目されていました。
私はまだ中学生でしたが、何かで読んだのか、誰かがニュースなどでコメントしたのか、今でも残っている言葉があります。
「女性だからといって、参加している人がいる」
当時は女性が声を上げ始めただけでもニュースになるような雰囲気。土井たか子さんのマドンナ旋風とかはこの辺です。何となく「女性」が「こうしろ」とか「こうしてほしい」と言ったら全部正義、みたいな空気がありました(言い切るのが危険であれば、少なくとも私はそう感じました)。
もちろん能力があるのに環境によって制限を受ける女性もいましたが、同時にただ女性というだけで壇に登ることができた部分もあり、上記のセリフは能力があると自覚している女性がブームに乗っかっただけの女性を揶揄したのか、牽制したのか、そんな言葉だったと思います。
今の「女性管理職を増やそう!」にも同じような危うさを感じます。女性ならどんどん管理職にするべきなのか。管理職なら責任も発生するし、物事を処理する能力が必要です。能力がないのに「女性管理職を増やさないといけないから」と登用してしまうと、たぶん男女どちらにも苦しい結果になります。
「女性を増やす」という考え方よりも「性差や家庭環境を昇格の条件から排除するにはどうするか」と考えたほうが本質に近づけます。そのとき能力を比べて上である人が管理職になればいいのではないでしょうか。それは男性かもしれないし、女性かもしれない。
また、子育て系の施策は女性ばかりではなくて男性も同等に使えるようにしないと、今までとは違った不公平が出ます。さすがに出産は女性しかできませんが、それ以外は男女の待遇差をどちら向きにも直していけばいいのに、と常々感じます(なので、男性専用車両とかがあってもよいと考える派)。
最近、この話を見かけるたびにムズムズするので、まとめてみました。
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