[インタビューズ]Sansan株式会社 日比谷尚武さん 3/4

[インタビューズ]Sansan株式会社 日比谷尚武さん 3/4

Sansan株式会社の日比谷尚武さんへのインタビュー第3回(全4回)です。

今まで「何かを切る」という発想はしてこなかった

——起業したい人やベンチャーの人から相談を受けることはありますか。

僕より年下の人や同世代で独立したいとか、ベンチャーをつくったけどどうやってプロモーションしたらいいのか、とはよく聞かれます。僕の経歴を見て起業やベンチャー、マネジメントの話を聞く人、マーケティングや広報・PRのことを聞く人、この2つが多いですね。

——この人は成功するなとか、ダメだなというのはわかるものですか。

いや、さすがにわからないです。これは行けそうだなとか、もう無理かもという線引きもあまりしません。面白そうな人とは付き合っていたいので、結果的に成功するなり、ガッツのある人が周りに多いような気がしますけど。

面白くないのを排除するわけじゃなくて、逆に面白そうなところをついて行ったら面白くないところから離れている感じ。基本的に自分から切るとか捨てるというのはしないです。

貧乏性なので、人も物もアイデアも、何かあとで使えるんじゃないかと思っちゃうんですね。取っといて「ほらほら、これちょうど使えたじゃん、捨てずに良かったよね」みたいな。基本そこですね。

——アイデアや情報は多すぎると混乱してしまいそうです。

僕も昔はそれがオーバーフローしていました。人にうっかり不義理をしてしまったり。やらなきゃ、何とかしなきゃと思うのがいっぱいあって、もやもやイライラして自己破綻していたときもあったんですけど、最近は忘れたものはしょうがないと開き直るようになりました。キープはしているけど思い出さなくても後悔しない。くっついたらその時で、逆にくっつかないということはそういうことだと割り切るようにしています。

僕、人とお会いすると必ずその時にメモや議事録を取るようにしているんですよ。うちの名刺管理サービスSansanに誰と会ってこんなことを話したと記録する機能があって、そこに残すんです。ここには別にToDoリストがあって、やらなければいけないことは全部入れておいて片っ端からやる。書き込んだら一旦これについて考えるのはやめて、クリアして、書かれたことは迷わずただやるのみという流れができます。

思考して発想するタイミングと実行の時間は別だから、実行のところだけ固めて、頭を使わずにやってしまう。僕個人としては、書いて早く脳みそから外に出したい、忘れたい。

——調べものはネットが中心ですか。

たとえばイベントを設計したい、どうやったらいいんだと考えたら、それを知っていそうな何人かに会ってフレームワークがどうなっているのかをまず聞きます。数人に聞くと「必ず押さえなければいけないポイント」がわかりますよね。

そのあとの細かいアレンジはネットで探してもいいと思いますが、ネットでの情報もどうやって優劣をつけるか、どれが正しいか、体系的にどう捉えるかのコツは経験している人に聞くのが一番早いです。

——ベンチャーというとアメリカなんかは失敗しても次があるようなイメージですが、日比谷さんにとってはどんな印象でしょう。

僕はその失敗とか、会社を辞める、変わるとかって、感覚的にネガティブじゃないんです。でもまだ僕はマイノリティだと思いますよ。ITとかベンチャーじゃない業界にいる人たちから、そんな会社をコロコロ変わって大丈夫なのとか、ベンチャーって怖くないのとよく聞かれますから。

僕は根っこのどこかで「最悪、自分一人で何とかなる」「自分でやればいいじゃん」と思っている。たぶん学生時代のバイトの経験から染みついている。1カ所に居着こうとか、居着くのが美で正であるとは思っていないんですよね。

父が研究者で、企業に属しながら並行してアカデミックな世界での活動もしていました。必要においてプロジェクトを組むとか、あちこちに呼ばれたらそっちに異動するというか、活動の場を移す感じなので、それを見慣れているのかもしれません。

——起業するときのポイントはありますか。

起業するというのは、事業として何かを提供してお金をもらうこと。会社などはたまたまそういう機能、社会的にいろいろ都合よくふるまえるための枠組み、箱だから、あまり重く考えなくてもいいような気がします。起業ならいわゆる個人事業主だっていいわけだし、会社という体裁にして人を雇うのも方法の一つ、ボランティアだっていいわけです。

必ずしも大きくしなければいけないわけではないし、必ずしも長く続けなければいけなくないと僕は思うんですけどね。要は自分が何をしたいのかじゃないでしょうか。(続く)

次回:サバイバルゲームは会社運営にも似ている

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