[インタビューズ]Sansan株式会社 日比谷尚武さん 4/4
Sansan株式会社の日比谷尚武さんへのインタビュー第4回(全4回)です。
サバイバルゲームは会社運営にも似ている
——趣味でサバイバルゲームがお好きだと聞きました。
人から誘われたのがきっかけです。10年ぐらい前ITベンチャーの中でサバイバルゲームが流行っていて、行ってみたら面白くて。初めてスキーに行くときのように、友達に教わりながら中古のアーミーショップで上下の迷彩服と手袋、ブーツ、目を守るゴーグルを買いました。今だとパッケージ化されていて貸してくれるところもあるんですけど。
千葉や埼玉の外れにサバイバルゲーム用のフィールドがあるんですよ。森や空き地で、会場を借りてやります。10対10もあれば50対50のときもあったり…。いろんなバリエーションがありますが、基本は缶蹴りと同じで相手の陣地の旗を倒したら勝ち。ルールはそのときどきで変わります。
電気銃でビービー弾というプラスチックの弾を撃つので、当たったら痛いですよ。正確にはバイオ弾といって土に溶けるというか腐る材質で、撃ちっぱなしにしても「エコ」なんです。業界的にいろんな気を遣っていますね。
——団体戦なんですね。
ええ、フィールドを見てみんなで攻め方を考えます。赤や黄色のガムテープを腕に巻いて敵と味方を区別するんですがチラチラ見える人を見極めて「あそこに3人いるからこう行こう」とか「援護射撃するからここを抜けろ」とか。
体を使ったゲームが楽しいという側面もあるんですが、僕はこの戦略性が好きですね。心理戦があったり、「このルートはたぶん空いているからとりあえず2人走れ」と決断したり。集まる仲間もマニアックでこだわりがあって、コミュニケーション力があるので楽しいです。コミュニケーションが取れなかったら命取りです。「貴重な戦力なのに勝手に死なないでくれ」と思いますよ。
やっていると性格が出ます。人の言うことを聞くとか、必ず確認する人と逆に勝手に仕切る人。饒舌で仕切るのがうまい人が何人かいるわけですけど、会社という組織内でも共通の部分があるかもしれない。「おまえ、こっちへ行け」とか「若いやつは走って」って平気でやっても、みんなが納得してつい従ってしまう人がいますね。
——女性もいますか。
僕を誘ってくれたのは女性の方なんです。本当の戦争だとたぶん体力とか差がつくんですけど、遊びでやっている分には関係ないと思います。彼女はうまくて、ロジカルなところと感覚のバランスがいい。
たとえばさっきの戦略性も大事ですが、ガチガチにそれをやっているといつまでたっても突破できない。そこを「まあいいや、行っちゃえ」と度胸で行っちゃうのも大事なんです。彼女は「ちょっと行ってみますね」と言って、こちらが「大丈夫?」と心配しているうちにサササと行って「あ、取れました」という(笑)
いいセンスしてると思います。それがビジネスにも生きているのですごいです。
——これまでIT業界のお話を聞いていましたが、人と会ったり交流することはやっぱり日比谷さんの中で外せない感じですよね。
つながりが急に深まるのは実際会ったときが多いですね。サバイバルゲームでもそうです。みんなで食べたり飲んだりして話しているときに新しいつながりができたり。ネットだけでは解決できないスピード感もありますし。今のネットサービスを見ていても、ネット完結型というよりリアルを正確にサポートするとか、リアルな事業の一部IT化が主流です。
アナログとデジタルをうまく融合させるというか、それが当たり前。そうしないと実のあるものにならない、価値のあるものにならないという傾向はあります。Sansanの名刺管理もあくまでもリアルな関係のためのものだし、リアルであったことを、アナログだけじゃできないことで補完しようというサービスなんです。(了)
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個人的に懐かしい90年代のIT事情から、日比谷さんならではの経験からくる働き方への提案など、時間を短く感じるとても楽しい取材でした。サバイバルゲームの話は初めてだったので興味津々。ただの遊びではなくもっと深いものがあるんですね…勉強になりました。お忙しいところどうもありがとうございました!
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