コロナ禍後に変えること、変えないこと
自分のライター仕事の周りも、家人や友人の仕事環境も、春前から比べるとずいぶん変わりました。これまでリアルに人を集めて開催されていたイベントや事業は止まり、オンラインツールが凄まじい勢いで浸透しています。
私の場合、一般企業のお客様が多いので企業活動が止まっている間はあまり仕事も動きませんでした。ただ緊急事態宣言が解除になって人が動き出せば、また案件が発生するだろうと考えます。
そのとき以前と比べて何を変え、何を変えずにいるべきか。「変わったもの、変わらないもの」という環境にも大きく左右される事柄ではありますが、再始動前にちょっと考えてみました。
コロナ禍後に変えること
年齢が上がるにつれて一番怖いのは「新しいものを受け入れにくくなる」状態です。自分たちが若手と言われていた頃に頑なにPCに触らなかった人やメールが面倒という人は、やっぱり業務の新しい流れから外れていきました。覚えれば使えるのに、覚える気がないのでずっと使えない。
あの人たちと同じ位置に自分もいる気がします。「それはちょっと」と言っている場合ではない。とにかく触ってチャレンジして、ダメだったら帰ってくればいい。生活全部がダメになるようなダメージはもう受けないはずなので、気になったら触ってみる。
ある意味「コロナ禍だから」というのはパワフルな大義名分です。今だからチャレンジして帰ってこられる場所がたくさんあります。みんな忙しいからたぶん失敗した自分も気づかれない。気づかれても経験値が積まれて損はしない。
だから挑戦してみたいライン
その一環として思案しているのが、人集めに注力するのではなく、必要な人に届ける方法を見つけることです。これまでは100人よりも1000人、1000人よりも1万人のマスコミュニティを得て、その中でお客様になってもらう人をマッチングするのが主流でした。ウケの良いコンテンツだとこれが可能です。
でも「世の中で100人しか必要としないことを、その100人に届ける」ほうへは作用しません。その人はマスの枠に入らないし、枠内にいなければ上記の方法は無効になってしまいます。必要な人はいるはずなのに、なかなか出会えずマッチングできない問題。これは技術的な進化を活用すればうまく出会えるんじゃないか。
インターネットはその点とても便利で、ニッチな活動はニッチな人に見つけてもらいやすい。noteのようなテキストプラットフォーム、YouTubeやInstagramのようなビジュアル系プラットフォームで新しい発信をすれば届くんじゃないか。
ただしそれは発信者が頑張らないといけない部分でもあります。待っているだけでは見つけてもらえない。誰かが以前「知られる努力」と表していたのが印象に残っているのですが、まさにそれ。見る人によっては「足掻いているなー」と捉えるかもしれませんが、発信者として「必要なところへ届ける努力」で足掻こうと思います。
コロナ禍後も変えないこと
最近、しみじみ「これは変えないほうがいい」「むしろこちらで続けよう」と思うのは【地味に、地道に】という点です。もっと前から言えば、たとえGoogleのSEOの条件が変わったとしても、世のトレンドが右から左へ大振りしようとも【地味に、地道に】は一番着実だと感じていました。
ライティングなら、流行に沿った文章を考えるのではなく、コンテンツホルダーの核や本質を捉えてシンプルな言葉で伝えること。
一見して華やかな言葉や際立った経験談は、もちろん人目を引きます。でもその向こう側で地味な作業をする人や予防的な業務に従事している人もいる。表に見える「華やかさ」はそのプロセスに下支えされていることも多いのです。サービスや製品の質も実はそこで決まっている。
自分の仕事は、見えない部分までなるべく踏み込んで文章でお知らせすること。これはコロナ禍があってもなくても変わらないところだろうなと思います。
この2つを掛け算する
変わること、変えないことの掛け算が自分の活動です。ざっくりまとめると、情報や人のインプットとアウトプットのルートは見直しが必要。もっと良い方法があるはず。でも届けるコンテンツの軸は変わらない。なぜならそれが今も昔もこれからも大切だと考えるから。
届けるのは大事だけれど、それが「=多くの人に届ける」なのか「=必要な人に届ける」なのか。後者でも人数が多ければ結果的に多くの人に届けることになります。ただし数は正義ではない。うっかりすると「したいこと」と「すべきこと」と「しなくてもいいこと」の境界線があやふやになって、何のために何をしているのか混乱してしまいます。
コロナ禍が一段落したらいろんな「新常識」が現れるでしょう。AさんにはAさんの、BさんにはBさんの新しい考え方が出てくる。自分の物差しはこの辺に置いてしばらくやっていこうと思います。
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