あとでまとめやすい取材メモの取り方。
私は人の言葉をテキスト化するときは音声を聞き直しますが、事実を書き起こすときは自分メモに頼ります。メモが得意な人の中には、まっさらなノートに美しい字で、聞いた順番に書き付ける人がいますよね。私はあれがダメなんです。まず聞きながらキレイに書き留められない。書いても、メリハリがないのでパッとポイントが掴めない。だからこんな方法を使っています。
メモはキレイでなくても構わない
取材メモには時系列に沿って3つの役割があります。
・事前:現場で「聞きたいこと」を思い出すための目印
・現場:取材内容そのものの記録
・事後:記事化のためのポイント把握
「キレイにメモを取れない!」というのはコンプレックスなんですが、よく考えたらメモ上で文章を完成させなくてもいいんですよね。清書するときに概念や事実を思い出すスイッチになればよし、です。
ざっくり事前材料をメモしておく
仮にAさんを取材する、とします。
ブログなどを読んだ情報からAさんの経歴を辿るとこんなことがわかりました。
・犬を飼っていたのが今の仕事の原動力らしい
・高校の恩師の言葉が大きかったと何度も書いている
・今の仕事は前職とまったく違う分野である
文章にすると上記のように長くなってしまいます。でも当日「これを聞こう」という目印にするだけだったら、記述はもっと簡単ですみます。
犬→仕事
恩師
畑違いの業種
意外と人の頭は記憶してくれているもので、事前に調べておくと単語さえ見れば詳細を連想できます。当日このメモを見て、現場で思い出して、聞くべきことを文章化します。「なぜ犬が動機になったのでしょう」「ブログで拝見しましたが、恩師からどんな言葉がありましたか」という長い文章は現場で作ればいいんです。
現場ではメモのスキマを埋める
現場では、その周りに聞いたことをどんどん書いていきます。下はサンプルですが、実際のノートもこんなゴチャゴチャ感です。
あえて線が絡まったマインドマップを作る、と言い換えてもいいかもしれません。聞いた項目を、自分だけがわかるヒモづけで書き入れます。これは大事、と思ったものは○をつけたり□で囲ったり、大きく書きます。パッと見たとき見逃さない、自分なりの目印でいいと思います。
これならあまり時間がかからないので会話に注力できます。
思い出しながら清書・記事化する
清書するときはこのメモを見ます。先ほども述べたように、人の記憶は思いのほか頼りになるものです。書いた位置や筆圧などからも引き出されます。単語からメモを辿っているうちに 「この話をここに書いているときにこの話も聞いた」とか「書いていないけどこう言ってた」という細かい項目が出てきます。
まとめ
ということで、おすすめの取材メモの取り方はこちら。
・あらかじめ単語で準備しておく
・単語の周りにどんどん情報を書き付ける
・図で思い出すので、キレイでなくても大丈夫
美しく書けなくて困っているときは、ぜひ試してみてください。
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