言葉を生み出す、こんな方法。
文を書こうとするとき
悶々と悩んで組み立てる方法と、
突発的な言葉を捕まえる方法があります。
私は前者のパターンが多いのですが、
昨日は「こんな方法もあるのか」という
面白いイベントに出会いました。
きっかけは先日のランチ会にも来てくださったこの方。
当日午前に入院生活を終え(!)
退院直後の夕方に旦那さんと
即興演劇の紅白戦に参加されました。
主催は毎週日曜日に
中野サンプラザで活動している即興・カニクラブ。
(ポメラでは果肉ラブと変換されたのは秘密)
今回は3チームが4タイプの即興演劇を行って
会場と審査員が点数をつけるイベントでした。
即興演劇はインプロと呼ばれていること、
即興のきっかけはいろんなタイプがある、
という知識が全くないまま会場へ。
てっきり、最初にお題を決めて
時間内で演じるだけかと思っていたら違います。
途中で会場からランダムに書かれた台詞や
単語を拾って芝居に入れ込んだり、
最初と最後の台詞だけ会場で決めて、間を自由に構成したり。
1文節ずつリレーで話を作るなんてのもありました。
まず必要なのは瞬発力、そして度胸。
発話のほかに動きをつけて、
ストーリーを進めないといけません。
頭も体も使います。
なるほど、と思ったのは「スケッチ」という手法。
お題をもらったら、リレー形式で
その物事にまつわることを描写していきます。
本当に言葉でスケッチしていく。
今回のテーマは「牛舎」で、一人ずつ差し出す言葉が
「澄みわたる青い空」だったり
「黒い長靴を履いた女の子が全力疾走」だったり、
「牛たちのやさしい声」だったり。
何をどの視点で捕まえるのか、その場で試されます。
隣の人が使った言葉に触発されて新しい発想が出てくることも。
これは小説の風景や心理描写そのものだなあと思いました。
同時に、これくらい自由に紡いでいってもいいのだなと。
時間が限られているので発想にフタをしている暇がありません。
浮かんだらとにかく口に出してみる。
そして、書かれた文とは違って
話す言葉は「間」を取ることができます。
すべてを言葉で埋め尽くしてしまうよりも、
(次に何を言おうか考える時間でもあるけれど)
少し間をあけたほうが、
受け取る側が咀嚼できてより伝わるようです。
自分の脳内を観察して、
単純な組み合わせの言葉でもいろんなことを想像するもんだな、
と改めて思いました。
複雑な表現だけが素晴らしいわけではない。
この方たちのチームも
1つのお題が誰かの一言で予想外のほうへ転がっていき、
終わる頃には「そこに着地か!」という驚きがありました。
その間、ほんの2分や3分。でも別世界に行けます。
悶々と考えるより、外に出してみる。
一人ではなく他人の言葉を混ぜてみる。
言葉の生み出し方はいろいろあるんですねえ。
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