いわゆるネット上でいう「成功」に疲れたら。
- 2012.05.02
- 更新日:2012.07.30
- ライターの捉え方
ブログやSNSをやっていると
「成功」という言葉にたくさん出会います。
そこに行くまでのアクティブな活動や道筋を
リアルに見せていくのがセオリーになっているので、
記事や投稿も自然とそんなテンションのものが増えます。
あの有名な○○さんと出会いました!とか
今度こんな大きなプロジェクトに関わります!とか
ネットの縁で遠くでこんな会を開いてもらいました!とか
○人が集まって大盛況です!とか
私はいまこんなに充実しているんです!とか。
しばらく囲まれていると
「自分もそうならないといけないのか」とか
「そうなってない自分はレベルが低いのか」とか
心配や焦りが出てくることがありませんか?
私にはそんなとき、
ふっと感覚を引き戻してくれる「支え」があります。
それは社内報編集のときに関わった、
定年退職された皆さんです。
高卒や大卒で企業に就職して、
何度か転職されるケースもありますが
皆さん粛々と40年近く勤め上げた方ばかり。
さっき挙げた「こんなに大きな事をやって、
たくさんの人に影響を与えて大成功です!」という
アピールとはちょっと違う位置にいます。
でも、この人生が失敗かといったらそうではない。
充実していなくて不幸なのかといったらそうではない。
社内報で定年退職の方の名前を出すときは
必ず一人ひとりに確認をとる作業があります。
ちょうど団塊の世代にあたったので
1ヶ月で数十人になる場合もありました。
だいたい事務的に「掲載いいですよ」という返事なのですが、
たまに私を会社に見立てて「お世話になりました」と
ご自身の思いを書いてくださる方がいらっしゃいます。
もちろん仕事で苦労していることはたくさんあります。
そのぶん家族を養って、子どもが学校を出たり
結婚して孫を持っている人がいたり、
余暇を趣味にあててそこでも結果を出す人がいたり。
40年近くがとても有意義で充実していて、
振り返って「この道筋でよかった」と思えている。
いわゆるネット上で流布している「成功」とは違うけれど
確実にその人が積み上げている歴史と成果があります。
そもそも、ネットを利用している人自体が少ないかもしれません。
社内報の仕事では1000人近くの顔写真を見つつ、
言葉をくださる人でもそうでない人でも
「リアルの中でいろんな歴史があるんだろうなあ」と
考えてきました。
この感覚があるので、
ネットでいろんな人の「成功アピール」を見ても
あまりブレずに戻ってくることができます。
粛々と、自分ができることを、誰かの役に立つように。
社会人としては十分なのではないでしょうか。
SNSで見かける「成功」に疲れてしまったら、
ちょっと離れてもいいと思いますよ。
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