人より取材時間がかかるようなので、原因を考えてみた

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本と虫眼鏡

どのくらい時間をかけて取材すれば、どんなボリュームの記事が書けるのか。これは人それぞれです。早い人は30分の取材で数千字を組み立てるかもしれない。じっくり聞く人は2時間の話から磨き抜いた400字を書くかもしれない。私はどちらかというと長く時間をかけるタイプに入るようです。

聞いたことを書くか、相談したことを書くか

1時間の取材で3000字、4000字作成のオーダーはよくあります。でも私の場合、3000字ならできれば90分聞きたいし、内容によっては2時間欲しい。どうして時間がかかるのか原因を考えてみました。

一番スムーズなのは、求めている主旨に合わせて話し手がスラスラ語ってくれる取材です。次点は、ライターが質問を工夫して話し手の「思い出し作業」をサポートする取材。どちらもうまくいけば、1時間取材で3000字のボリュームを満たすことは可能でしょう。実際そういうお仕事もしました。

でも私が「もう少し時間が欲しい」と思うのはなぜか。これは相手と相談する時間を確保したいからだと気づきました。

私のクライアントさんは一般企業が多く、テキスト作成の目的はサイト構築であったり、事業案内であったり、成功事例であったり、クライアントさんの先にいるユーザーに伝えたい情報の代弁がほとんどです。

そうすると、ただ聞いたことをハイハイと受け止めて書くだけでは用が足りません。必ず「どう見せたいですか、どう見られたいですか」という質問をします。いわば一緒に作戦を練って、最も効果的な構成を考えるのです。

たとえば、最初のご依頼は「社長コラムを書いてほしい」だったけれど、話を聞いてみると「うちがどれだけ誠実に商売しているか」をアピールしたいのだと判明した。

あるいは、Aという長所をアピールして優位性を表現するつもりだったけれど、話を聞いてみたら実はBやCのポイントがお客様からよく褒められているとわかった。

そうすると当初の予定を変更して、新たに「これを書いたほうがお勧めですよ」と説得し、納得してもらい、変更後の大まかな構成や筋もそこでお知らせすることになります。だから人より時間がかかってしまう。

広告営業の考え方と似ている

これは、ライターというより広告営業の仕事そのものかもしれません。私は新卒で最初に就いた仕事がこの営業でした。

法人の総務や広報担当者、商店街の親父さん、中小企業の社長さん、レストランオーナーなどなど、業界の手順を知らない人に広告枠を売り、どんな効果が欲しいか、何を載せるかを相談して一緒に作り上げます。

で、絶対(これはもう絶対)クライアントさんが最初に想定していた形や内容とはまったく違うところへ着地します。お互いに話しながら、時間をかけて「本当に欲しい要素」がわかるんですよね。

広告はレイアウトやビジュアルを使いますが、今の仕事はそれをテキストに絞ってやっているようなものです。

おそらく、リピートしてくれるクライアントさんは、この種の関わりをありがたいと感じてくださっています。逆に「もっとチャッチャと書いてほしい」とか「もっと早く安く仕上げてほしい」と思うクライアントさんは1回きり。

どのタイプが正解、と明確な答えがあるわけではありません。でも自分が向いているスタイル、向いているクライアントさんは確実に存在するのだなあと思うようになりました。

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