最近編み出したアナログ+デジタルな本の読み方

最近編み出したアナログ+デジタルな本の読み方

読書仕事で読む本が増えてきました。それらはただ読んでいては時間がかかるし、読み終わったあとに情報を使いやすく残す必要があります。試行錯誤の結果、こんな方法をとることにしました。

0.小説や自分がじっくり読みたい本は従来のペースで読む

行間を味わうことに意義がある本は下記の方法を使いません。読みたいペースで読んで、閉じたら余韻に浸るなど自由に。

1.いわゆる「速読」の基本はこれ

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門
佐藤優氏の読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門 東洋経済新報社をベースにしました。

帯にもあるように佐藤氏は月に300冊以上読む必要があるそうです。超速読と普通の速読を経て「読まなくてもよい本」を弾き出し、本当に必要な本だけ読書ノートをつけながら熟読します。

速読は特別な能力が要るものではなく、時間意識と実行の意思があれば誰でも可能。どんなポイントから取捨選択しているのか、実際の書名を挙げて書かれているのでぜひ本にあたってみてください。

私が参考にしたのは「読書ノートのつけ方」です。あとで参照したいところ、気になるところを抜き書きします。佐藤氏はノートを利用していますが、私は+iPhoneアプリ(自分のデバイスはiPod tatchですが)を組み合わせることにしました。

2.読みながら「つぶやき」をアプリに書き留める

読んでいて「?」と思ったところや、新たに湧いてきた自分の感想はアプリにメモします。使っているのはEvernoteにすぐ送ることができるこれ。

PostEver Lite – 1日分のメモが1つのEvernoteノートに
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Evernoteに日付をタイトルにした記事を作成して、バラバラと投稿しても同じ日付であれば1つのノートとして保存してくれる優れもの。無料版は1日5記事までの投稿が1つになります。600円の有償版は記事数の制限がなく、写真も同一ノートに保存できます。

読みながら「えー、こうなんじゃないの」とか「こんなこと思い出したわ」というのはこのアプリに書いてEvernoteに送信します。

もちろんiPhoneにデフォルトで入っているメモアプリを使ってもいいし、自分宛のメール作成画面を出しておいて書き連ねていくのもいいと思います。ただ私の場合、書いてすぐに送っておかないとEvernoteに保存することを忘れてしまうので、何度投稿しても同日のノートにまとめられるこのアプリの有償版を利用しています。

Posteverから投稿されたものは必ず「Postever」という名前のノートブックに入るようにしているので「こないだ書いたやつどこにいった…?」ということがなくなりました。

「つぶやき」と書いたように、読みながら発想したことがあとでツイッターのつぶやきになったりフェイスブックの記事のタネになるので、あなどれない作業です。手書きで残さない理由もここにあります。デジタルで残したほうがあとで検索&再利用しやすいんですよね。

3.読みながら「真似したい表現」をアプリに書き留める

読んでいて「うまいこというなあ」とか「この比喩は秀逸」と思ったら、これもデジタルで残すようにしています。

最初はPosteverで「2」と同じようにしていたのですが、感想は感想、表現は表現で分けておきたいと思うようになって、別のアプリを使うことにしました。

Fast Memo – evernote、twitterと高速連携
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このアプリは、設定をすればEvernoteだけでなくツイッターにも直接投稿ができます。でも私は用途をEvernote送信用に限っています。

大切なのは、このアプリからEvernoteに送ったものは必ず「知らない言葉」というノートブックに入ること。逆に言うと言葉の採集以外にはこのアプリを使いません(知らない言葉ノートブックに入ってしまうから)。

気づいた方がいるかもしれませんが、これは「2」のPosteverで投稿するときに、都度タグを書き換えたりすれば似たように混ざらない分類が可能です。でも読みながらいちいちタグを設定し直すのが面倒。それだったら違うアプリを立ち上げて「書く→送る」のプロセスをシンプルにしたほうが簡単。なのでわざわざ2つのアプリを使っているのです。

4.ノートに抜き書きする

熟読するとき、気になる箇所には付箋を貼っておきます。

読み終わったあと付箋箇所を振り返り、自分にとって必要だと思う箇所を抜き書きします。最初はちょっと横着をして省略書きをしていたのですが、やっぱり一字一句を写し取る方が参照するときの信頼度が高まりました。一字一句の抜き書きでないと、結局「そうだったっけ」と本に戻ってしまうので効率がよろしくないようです。

これは私の場合デジタルだと探しにくくて、ノートに書き留めたときの位置や上下感覚を頼りに「あの辺に書いた」と参照するのが一番速いです。iPhoneのようなデバイスを使って長文を書き残すのが面倒、というのもあります。

5.情報の再利用方法

上記を使うと、情報が3箇所に残ります。

A.Posteverで残した「本の感想や思いつき」
B.Fast Memoで残した「うまい日本語」
C.ノートに残した「重要な記述がある箇所」

AとBにはさらに強い味方になるアプリがあります。

EverShaker – Evernote®を再発見!
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名前の通りEvernoteにあるノートをシェイク=ランダム表示してくれる面白いアプリです。素晴らしいのは、設定すると「あるノートブック」の「あるタグがついている」ものだけをランダムに表示できること!

Aで残した「Postever」ノートブックだけ、Bで残した「知らない言葉」ノートブックだけ、という設定でぐるぐるランダム表示ができるんです。ここで、わざわざ分けて保存したメリットが出ます。

何か発想に行き詰まったり新しい視点がほしいときはAをザーッと見ます。表記で「何かいい日本語がないかな」「新鮮な言い回しがほしいな」と思ったらBをぐるぐる回します。

そうすると、すっかり書き込みを忘れていた「自分に取って嬉しい言葉」がEvernoteから取り出せます!「いいことピックアップしてたわー」と頭と心が軟らかくなること請け合い。もう、このためのデジタル化です。

Cのノートへの書き出しは「本から何を受け取ったか」のリストです。ひょっとしたら、参照よりも本を咀嚼するためにその場で必要な作業かもしれません。

6.まとめ

まず佐藤優氏の本で「速読」と「熟読」を押さえる。その後、読んでいくときはデバイスとアプリを利用する。重要な引用はノートに手書きする。デジタルで残した情報は、一人ブレストで活用する。

本との出会いも一期一会。なるべくたくさんの言葉が自分に残るようにしたいものです。

おまけ)

電車や布団の中だと上記の「熟読」ができないので、小説や軽い読み物を持っていくようになりました。

 

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