【本】タイトルは『早朝坐禅』だけれども
- 2011.10.05
- 更新日:2013.07.25
- 書評・評論
今回読んだのは『早朝坐禅―凛とした生活のすすめ』、宗教学者である山折哲雄氏の新書。
確か梅棹忠夫さんに関する番組で話を聞いて「ああ、この人どんな本を書いてるんだろう」と思ったのがきっかけです。ビジネスとか成功哲学ではなく、宗教的な視点からどんなふうにものが見えているのかなと。
著書の中で手軽に読めるほうだと思います。
どうも「早朝坐禅」というタイトルは編集部のほうで決めたらしく、中身は「坐禅」だけではありません。言葉や精神、最近の日本人の傾向と問題がわかりやすい文章で書かれています。坐禅の方法論を知りたい人には向いていないかもしれないですね。
いくつか共感できる点がありました。
「殺すな」「盗むな」「嘘をつくな」という強い言葉を避ける文化ができて、言葉の重みがなくなったし、言葉と向き合う機会が減った。向き合うことでできる「自分」がないのに「個」を強要されれば、そりゃあ心にもひずみが来る。
西洋の「個」という概念に対する、東洋の「ひとり」という考え方にも説明がありました。そこから坐禅につながってはいきますが、周辺の話がもっと深い。
横と比較するから「比較地獄」に陥る、昔ながらの縦の関係(師匠と弟子・神と自分など)を見直すべきという話も納得がいきます。
ちょっと居住まいを正したくなる本でした。
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