【本】息子3人とも東大入学、が通過点の母
- 2011.07.13
- 更新日:2013.07.25
- 書評・評論
後藤眞智子さんの『なぜか3兄弟全員が東大合格!「勉強しろ」と絶対言わない子育て』。
教育本と思いきや、そんな枠に収まらないパワフルな本でした。後藤さん流の子育ても書いてあるのですが、読み進めるうちに「息子さんの東大は目標でなくて、ここの家族の通過点なんだな」と思うように。
ゴルフでは「ボールを打とう!」と意識して狙うと、力が入ってしまって結局遠くへ飛ばないそうです。でも体の構造と物理的な法則に逆らわずにキレイな弧を描いて打つと、すこーんとまっすぐ飛んでいく。どうも後藤さんの教育論はそれに近いイメージなのです。
(善悪や命に関わることはしっかり押さえつつ)お子さんと自分のペースに逆らわず、一緒に暮らしていったらみんな東大に入ることになった、そんな感じです。
だから「こうすれば東大に入れる」というテクニックがほしい人には向いていない本です。代わりに「どこか無理がきている」と思っている親子にはぴったりの処方箋。
私にはまだ子どもがいないし、母親がとても強い。知っているケースがうちの親子だけなのでいろいろと比べてしまいます。こうしたらよかったのかなとか、これがいけないのか、と途中までがっくりしながら読んでいました。
でも親子にはそれぞれの形があるんですね。後半の後藤さん自身の試行錯誤を見ると「本の中は後藤家の話、うちはうちなんだ」と、いい意味で吹っ切れることができました。タイトルにある「東大」という単語が力を持っていますが、実は東大よりも大切なことが書いてある本です。
個人的には贅沢な紙質と組み方がとても気になる…。
なぜか3兄弟全員が東大合格! 「勉強しろ」と絶対言わない子育て
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