言うなれば、警告音を発し続ける「かまくら」の中に入る感じ
MRIの検査に行ってきました。ウィキで調べてみたら「核磁気共鳴画像法」なんてすごい名前がついています。
一度磁場を作ってやめると、細胞ごとに元に戻る速さが違う。その差をもとに画像化するので体の中身が細かく3次元でわかる、らしいです。CTスキャンはもともと断層画像だけのデータで、コンピュータの力で3次元に加工したりするみたいですね。MRIはデータをとる時点で3次元。
ということは、この検査をするには磁場発生装置の真ん中に体を置かなければいけない。
案内された部屋は分厚いドアの向こうで、「金属禁止!」の注意がいろんなところにあります。メガネも指輪も、たぶん入れ歯も。着ていくものも金属禁止。鉄分があるようなキラキラメイクも落とさないといけないらしいです。
機械は巨大な「かまくら」にトンネルを掘ったような形をしていて、横たわって穴の中に入れられます。それ自体は痛くも痒くもないのですが、音がすごい。「ぐぉんぐぉん」という何かの稼働音のほか、「ビービービー」という警告音のようなものが絶えず鳴っています。アニメで宇宙船がピンチになったときの音が、ずっと鳴っている感じ。まあ、感覚的にはずっとピンチです。
あまりにもうるさいのは織り込み済みで、横になるとヘッドホンを装着。リラックスさせるためかそこからはカーペンターズのオルゴール音…。宇宙船がピンチだけれどカーペンターズ。本当にピンチになったとき(気分が悪くなったりとか)室外の技師さんに伝えられるよう、握ったらブザーが鳴るポンプみたいなものを渡されました。鳴らさずに済みますように。
たまにカーペンターズが途切れて、技師さんの声が聞こえてきます。飛行機のヘッドフォンで音楽を聴いていたらいきなり機長のご挨拶が入るような。「はい、ここから指示を出していきますねー」。
銅にベルトをつけて、事前に腸の動きを止める注射をされました。「ぐぉんぐぉん」と「ビービービー」と「トップ・オブ・ザ・ワールド」の中に取り残されて検査開始。
撮影をする輪の部分に撮影したい場所をリモコンでセットして、「はい息を吸ってくださいー。はい、吐いてー。止めて」。この止める時間が結構長いんですよ。そちらのほうが苦しい。
10分くらい何回かそれをやったあと、今度は造影剤を注射。また検査。
途中「あのう、もう少し早く呼吸できますか?」と言われました。早く呼吸?? 「そう言われると緊張してしづらいと思うんですけどもー」。しづらいです。吸い方と吐き方を忘れて混乱。
また20分くらい轟音の中で過ごして、終了。オルゴール音でウトウトしかけたところを機長に起こされる感じでした。もうちょっと寝て過ごせるかなあと思ったのですが、意外とやることが多かった。検査は、ある意味技師さんと患者のコラボですね。
「呼吸遅かったですか?」と聞いたら「1分間に4~5回くらいでした」と。MRIの撮影は呼吸のタイミングに合わせて行うので、呼吸が少ないと撮影のチャンスもそれだけ少なくなるらしいです。吹奏楽や水泳をやっていた人は早めに呼吸した方が早く終わるかもしれません。
ちなみに成人の呼吸数は1分間で15回前後とのこと。
胃カメラ体験記はこちら。
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