側聞と仄聞
- 2010.10.30
- 更新日:2019.11.10
- 日本語と言葉の面白さ
- 情報を伝える, 届く書き方とは
尖閣諸島の問題で、石原都知事が「実際に見たわけではないけれど」と断りを入れつつ、海保のビデオについて番組で話したのが話題になっています。
そのとき、最初にチェックしたニュース記事では「仄聞」という言葉を使っていました。しばらく後の記事では「側聞」に。どちらも「そくぶん」と読みます。
自分の感覚では「仄聞」がしっくりくるような気がしていたので、どちらがどんな意味を持っているのか、Yahoo!辞書で調べてみました。
【仄聞/側聞】
少し耳にはいること。人づてやうわさなどで聞くこと。
あら、どちらも同じ意味になってる。家の電子辞書に入っている広辞苑ではどうだろう。
【仄聞/側聞】
ほのかに聞くこと。間接的にちょっと聞くこと。
こちらも2つの言葉が一緒になって説明されていました。そうかー。そうなのか? 漢字源にもあたってみよう。
【仄聞】
わきから聞く。噂などでそのことについて少し聞くこと。
【側聞】
1 かたわらにいて聞く。
2 人づてにちょっと聞く。うわさなどで聞く。
別々に説明されていましたが、意味は似たような感じ。
せっかくなので漢字源で「仄」と「側」の差を見てみました。
「仄」はそれ自体で片方に寄る、傾くの意味があります。そのほか訓読みでも分かるとおり、ほのか、かすかの意味を含みます。「側」はかたわら、片方に寄せるの意味が強いようです。
結論としては…どちらも間違いではないみたい。
「かたわらにいて聞く」という意味を持つ「側聞」は誤解を招くので、今回の場合、個人的には「仄聞」を使いたいところです。
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