[書評]『ビジネスマンのための新しい童話の読みかた 』上阪徹 著を読みました
童話というとやっぱり子ども向けのイメージがあります。小さい頃に慣れ親しんで、ぼんやりと内容が頭に残っている。詳しく知らなくてもその話が言わんとしている教訓めいたことは理解している。「童話」は「常識」と言いかえてもいいかもしれません。でもこの本はその常識を一回見直してみようという作りです。
童話から得られる教訓は1つだけ?
『ウサギとカメ』と聞けば、ウサギがサボったせいで負けてしまった話を思い出し、やっぱりコツコツが一番だよねと考える。『金の斧、銀の斧』と聞けば、ウソをついて斧を取り上げられた人を思い出して、やっぱり正直者が一番だよねと考える。でも本当にそうなのか。
前半は特に、上阪さん節で「その常識を本当に信じますか」と何度も問いかけられます。当たり前だと思っていた童話の教訓は、読み替えたらこう変わるかもしれない。もう1つのこんな教訓が浮かび上がるかもしれない。
良いと決めつけていた登場人物にもこんな短所があるかもしれない。気の毒だと思っていた登場人物は実は幸せなのかもしれない。短い話をいろんな角度から検証し直すと、意識していなかった示唆が隠れていることがわかります。
こうやって「童話」自体を疑うことも発想の転換ですよね。柔軟でいたいと思いつつ、勝手に考え方を固めてしまっているのだなと実感しました。
ビジネス思考にも活用できる童話
童話は単なる子ども向けのおとぎ話ではなく、大人も考えさせられるポイントをたくさん含んでいます。上阪さんはライター業でインタビューした著名人たちの考え方や発言を例に引きながら、教訓を実践する方法も提示しています。
自己啓発本としても読めるし、ビジネス実用書としても読める。何より身近な童話を取り上げているのでスッと頭に入ります。頭をもう少し柔らかくしたい人におすすめです。
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