著者自ら阿川佐和子『聞く力』の便乗本だと公言しています。が、個人的には吉田さんの本のほうが面白く読めました。出てくる人が一癖も二癖ももある人たちばかりなのに、それを上回るインタビュースキルで必ず面白くして帰ってくる。一つ一つのエピソードが濃くて読み応えあります。
たぶん阿川さんの場合だと、何をしても世間では「ああ、阿川さんだから」という許しがあります。どんな突飛なことをしても目くじらを立てるほうが野暮で、その突飛さを讃えるほうが良い感じ。
でも吉田さんのお仕事を本から拝見すると、縛りがあるんですよね。制作会社や媒体の担当者による「今度はこういう記事にしたいんで」とか「これはやめてください」とか。吉田さんはその条件をすべてクリアするか、さらに上回る面白いことを巻き起こして記事にしてしまう。
何でも許されるインタビュアーではなく、何か条件がありつつ工夫するインタビュアーの本。だからこちらに共感したのだと思います。自分の仕事も後者に近いので「こんな状況でもこんな聞き方するのか」とか「ここはあえて突っ込んでいくのか」とか、実践的なところで勉強になります。やっぱり自分の頭がまだ固すぎる。
もちろん登場する方々の予想斜め上なリアクションもこの本の醍醐味です。吉田さんだから聞けること。個人的にはプロレスや野球の世界をよく知らないぶん、中の人の破天荒な話が好きです。人って面白いよなぁ。違う人たちを取り上げた第2弾があったら読んでみたい。
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