[書評]『イン・ザ・ヘブン』新井素子著
- 2013.12.06
- 更新日:2020.06.06
- 書評・評論
たぶん、私の思想の7割は新井素子さんでできてるのではないかと思います。中学生の多感な時期にコバルト文庫で素子さんの小説を知り、型破りなタメ口文体と描かれる世界観に衝撃を受けました。フィクションはほとんど買ってるんじゃないでしょうか。今回は33年ぶりという短編集です。本屋で本を3冊買う会で買った、2冊目。
素子さんの小説は、ぶっ飛んでるんですが説得力がある。設定は荒唐無稽かもしれないけど「ん、あり得る?」と思える記述がそこかしこにある。
以前の小説から取り出すと「そのUFOは人間に恐怖心を与える機能を持ったバリアを張っている」とか「二酸化炭素で満ちていた世界に酸素が充満しだしたらそれも環境破壊じゃないか」とか「誰からも好かれる能力がある人間、という最終兵器」などなど。
いつも、生まれること・死ぬこと・考えること・感じることの常識と思われる部分を揺さぶるので、毎回その衝撃に耐えながら「ぷはは、また揺さぶられちゃったよ」と衝撃を楽しむような読み方をします。
今回は短編集なので、小刻みにその「ぷはは」が来るんですね。
すんなり進む話ほど、絶対、素子さん一流のSF的などんでん返しが来る。来るぞ来るぞーと期待して、やっぱり来たー!とニヤニヤしながら読んでしまいました。
あとがきには、創作ノートというか、どうやって今回のエピソードが生まれたのか1編ごとに説明があります。作家さんの頭の中を覗く感じで面白いです。着想にはいろんな方法があるんですねえ。
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【インタビューライター 丘村奈央子】
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