今、オンラインだからできそうなこと。取材かどうかはまた別の話で

今、オンラインだからできそうなこと。取材かどうかはまた別の話で

もう「リアルで会わない」を前提に、ツールを使った会議や取材が普通になっています。最初は珍しさもあったのですが、体験後に一度引いて考えてみると「オンラインだからできること」がいっぱいありそうな気がしてきました。

ライター目線からいくつかご紹介します。取材に結びついたら嬉しいけれど、それはまた別の話。取材やテキスト化の有無にかかわらず「社内だけで」でも実践したら面白いと思います。

営業の打ち合わせに開発者も同席する

いわゆる導入事例、ユーザー事例を取材しているといつも思うのが「ああ、作っている人もここにいたらいいのに!」です。ほとんどの案件で取材に同席するのは窓口になっている営業担当の方。最初の商談から導入時の相談までずっとお付き合いがあり、かつお客様が事例記事に協力するということは製品・サービスが高く評価されている証拠。私のようなライターが一人ポッと出の状態で取材に行っても雰囲気はいつも和やかです。

記事の性質上、聞く話のほとんどは製品・サービスの「褒め」です。以前はこんなに大変だったのに、これだけ楽になった。導入したおかげでこんな成果が出た。この先にいるお客様にもこれだけ喜ばれた。

取材が終わると、同席された営業さんはよく「まだ聞いたことがない話をたくさん聞けました」「そんな理由とは知りませんでした」と言われます。こんな話こそ!作った人が!聞けばいいのに!

お客様と会う営業担当は評価を聞きやすい立場です。もちろんクレームや要望などもありますが、良い点もたくさん聞いているはず。しかし表に出てこない開発者や制作者の人はその声を聞く機会がほとんどありません。ある開発者さんは「うちの部署に来る話はクレームばっかりです」と苦笑していましたが、それは勿体ない。

何度か「開発の方も同席されたら、自分の作ったものの評価が分かってモチベーションも上がりますよ」とお伝えしたことがありますが、やはり業務上、外に出る時間を捻出するのが難しい。確かになあと思って諦めていました。でもオンライン会議が可能なら…?

自席のPCから参加するなら時間も調整できます。営業の方もヒアリングをオンラインで行うのであれば、作った人も一緒に参加してもらうのはどうでしょうか。お客様に何が喜ばれて、どこで困っているのか。開発者が直接聞ければ反映も的確になります。意外な工夫が褒められて嬉しくなるかもしれない。知らなかった使い勝手の悪さが見えるかもしれない。営業と開発が同席してあまり損はないように思うのです。

普段は会えない遠隔の人同士で座談会

全国に支社がある企業の場合、離れたところで働いている人と会う機会があまりありません。イントラネットや社内報があっても、人同士の深い交流まではフォローできないのが欠点。でもオンライン会議が可能なら遠隔地の社員同士で話せます。それを「座談会」というテイにするのです。

カジュアルな交流が目的なら仕事とは関係ない話をテーマにすると面白いかもしれません。「各地の映画好き社員が話す去年の映画」「家庭菜園を持っている社員たちの野菜育て情報」「ロードバイク愛好者たちの旅スポット」「子育てパパが苦労すること」など。

最終的なアウトプットレベルはいろいろ考えられます。その時間内の交流だけで終える>誰かが議事録をテキスト化して社内で共有する>録音や録画をして編集したものを社内で共有する>ライターなどがサイトコンテンツにして公開する、という手があります。サイトで公開できたら社内の雰囲気が伝わります。

「オンライン飲み会」としてしまうと社内で行いにくそうです。でも何か目的とテーマを作って人と人を組み合わせたら、それは形と記憶に残しやすくなります。交流後は確実にその人たちの風通しは良くなり、内容を社内共有したら参加者の人柄が伝わります。同じ趣味を持つ人が興味を持って交流がさらに広がるかもしれません。オンラインという空間を超えるツールなら実現できるのではないでしょうか。

偉い人と新人、ベテランと若手の対談

面談ではなく対談としました。何かしらの方法で公開するのが基本です。例えば社長と1年目でトップの成績を持っている社員の対談や、ベテラン技術者とまだ始めたばかりの若手の対談など、立場の差(いわゆる上下の差)が大きい人同士の話を社員で共有するのです。

リアルだと部署内の人間関係や所在地、ひょっとしたらビルの階数などの隔たりがあって、いろんな意味で会いにくい両人だと思います。しかしオンラインなら二人を結びつけるのが簡単。そこで仕事に関するテーマで話してもらい、話したことをなるべく公開できる形に残します。

おそらく、日頃見ていることや興味の先が全く違うでしょう(年上の経験も年下の経験も、両方同じくらい貴重です)。普段は会わない人と話す体験なのでお互いの発見も多いはず。それが社内で共有できれば他の社員さんも刺激を受けます。もしサイトで公開できるなら、上記と同じように社内の様子を広く伝えることが可能です。

オンラインはいろんなシャッフルがしやすい

リアルなところに固定化されていたものは、オンラインで時間と空間を飛べるようになると柔軟になります。人の会い方もまさに同じ。上記はその一例です。

もちろんこれらがコンテンツ化前提の「取材案件」になったらライターとして大変ありがたいのですが、そうでなくても効果は大きいと思います。今抱えている閉塞感がちょっと薄まるかもしれません。


話せるけど書けない方に向けて、オンライン取材も行っています。
詳しくはライター業務サイトへ。

 

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