[書評]『旅ノート・散歩ノートのつくりかた』奥野宣之

[書評]『旅ノート・散歩ノートのつくりかた』奥野宣之

IMG_22341冊のノートにまとめるシリーズの奥野宣之さんから、3月23日発売の新刊をいただきました。ありがとうございます! タイトルは『歩くのがもっと楽しくなる 旅ノート・散歩ノートのつくりかた』。人生や読書などいろんなテーマで書かれていますが、今回は外歩きです。

フルカラーの作りで、どのページでも惜しみなく奥野さんのノートが披露されています。ただ、序章で書かれているように「これは絶対的なものではなく、あくまでひとつの型にすぎません」。

すべてを真似なくても「これは面白そうだな」というポイントを拾っていくだけでも楽しいと思います。というより、いろんな角度から「記録という行為」と「道具」が取り上げられているので外歩き以外でも参考になります。

■記録しようと思っただけで、視点が変わる

ノートを完成させるという目的が達成されなくても、残そうかなと考えただけでも視点が変わります。

取り入れたモノを自分フィルターに通して、ノートに貼り付ける道を選ぶのが奥野さん。人によっては俳句や短歌になったり、スケッチブックや写真になる人もいるでしょう。

でもノートというのはいろんな表現の核でもあって、文字なりビジュアルを残しておくとあとでさまざまな形に広がるんですよね。奥野さん独特のアンテナ感度はこういう作業の積み重ねなのだなあと思います。

■道具が楽しい!

文房具マニアがチェックしたくなるようなペンや紙の情報だけでなく、長く歩くときに便利な小物、帰ったあとのまとめに必要な小道具など、カラー写真で紹介されています(ツボに入ったのはスタンプ台とバナナケース)。

「採集袋」の準備は目からウロコでした。なるほどー。自作のタイムラインシートはそのまま商品として出してもいいかも…?

知っている文房具も「こうやって使うのか」という実践が書いてあります。手を動かして使い込んだ人だからこそ気がつく工夫ですよね。

■本の装丁とデザインが凝っている

ノートを模したデザインは奥野さんシリーズの特徴です。今回はさらに手触りや中のデザインにも凝っています。小見出しやノンブル周りの意匠や写真背景などはクラフト感があって、この本自体が旅ノートのようです。

………

記録するのが目的ではなくて、そのあと反芻したり次のヒントをもらうためのノートなんですよね。もちろん振り返って楽しむためも含んで。古墳関連の話など、奥野さんの「ね、ここが面白いんですよ!」という声が聞こえてきそうな情報満載の1冊です。

歩くのがもっと楽しくなる 旅ノート・散歩ノートのつくりかた

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