企業コンセプトや経営理念ってどう書けばいい?
- 2022.08.23
- 更新日:2023.01.11
- 皆さんで書く場合の方法論 ライター活動
- 情報を伝える, 届く書き方とは
導入事例や社員インタビューは、掲載するスペースや内容がある程度決まっています。これらフォーマットがあるライティング以外にも、ライターがサポートできる仕事があります。それはコンセプトや経営理念、ポリシーを分かりやすくまとめて文章化することです。単に聞いた内容を書くのではなく、何を文章化したいのかをお聞きして組み立てます。
企業のコアを伝える文章
おそらくどんな企業でも「社会に対してこんな貢献をしたい」「社員に対してこんな育成を行っている」「取引先との関係はこうありたい」という目標があります。それをホームページで公開することもあれば、社内で共有することもあるでしょう。
ただ、その一歩手前で必要なのが「分かりやすくまとめること」。何となく概念としてみんなが持ってはいるものの、明文化していない企業は多いのではないでしょうか。
すでに大切にしたいコアがあるのであれば、言語化・文章化して伝えることをおすすめします。数人規模の組織であれば以心伝心でOKだった内容でも、規模が大きくなるほど認識のギャップが生まれます。その段階では明確な言葉として残す必要があります。
作成プロセスが棚卸しや振り返りになる
これまで話を伺っていて思ったのは、形にするプロセスで依頼者の皆さんの棚卸しにもなっている点です。自分の会社が大切にしていることを改めて第三者に説明する、なぜそこへ行き着いたかを言葉で明らかにする、その課程も新たな一つの意識醸成につながっているのです。
依頼時は曖昧だった部分も話しているうちに方向が見えてきて「ああ、こういうことをしたかったのか」と自分の中で腑に落ちる。すでに答えとして抱えていた曖昧な何かが、話しているうちに輪郭を得る。そして解像度が上がっていく感覚なのだと思います。
今後の方向性についてモヤモヤしているのであれば、あえて言語化にチャレンジするのもありです。
私が行っている文章化の手順
コンセプトを形にしたい、言葉にしたいという依頼を受けたとき、いくつかチェックするポイントがあります。状況によってサポートする内容が変わります。
① すでにコンセプトやポリシーが定まっているか?
もう人に紹介できるほど固まっているのであれば、取材時にお聞きしながら「読む文」としてまとめていきます。取材からスタートできるパターンです。
まだ曖昧なようであれば、もう少し時間をかけて「曖昧な状態」をお聞きします。その中で芯や軸になる部分、貫いている部分を取り出して「こういうことなのではないか?」と提案しながら固めていきます。一見バラバラに見えるお話でも、大切にしている軸は一貫して存在していることが多いです。中にいる人にとっては当たり前すぎて見えにくく、第三者のほうがポイントを見つけやすいともいえます。
②誰に伝えようとしているか?
そのコンセプトやポリシーは誰に伝えようとしていますか。
- 社内で共有して「うちの会社はこう進もうとしている」と宣言する
- お客様に「こういう会社なので任せてください」と伝える
- 学生に向けて「こんな成長を促す会社です」と興味を持ってもらう
- ホームページで「こんな会社です」と広く伝える
対象によって求められる筆致やスタンスが変わります。ライターは「こういった結果を得たいのであれば、ここに向けたら良いのでは」というアドバイスまではできます。決定するのはその文章を出したい企業になります。
③どこに載せようとしているか?
ホームページ1スクロールで見せたいのか、冊子にして詳しく読ませたいのか、ブログ内で手軽に読んでもらうようにするのか、掲載場所によって最適な文字数、見せ方が変わります。その条件によって取材時間や作成する文字数が変わるので大切な情報です。
④どんなスタイルで載せるのか?
コンセプトやポリシーを紹介した後、より理解してもらうための文章があると親切です。その場合も書き方が選べます。
- 地の文を使って読み手に話しかけるような文章
- 社長や幹部が登場して語るインタビュー
- 実践している複数社員のインタビュー
その他パターンはいくつも考えられます。先述の①②だけでなく、作成する文章をどう使うのかによっても最適なパターンが変わるのでご相談ください。
上記の条件を組み合わせて書き方を考える
ライターによって方法は違うと思いますが、私の場合、依頼時(メールやり取り)または打ち合わせ(1回目は無料)で上記のお話を伺って、最適と考える組み合わせをご提案します。皆さん話している最中に「ああ、それはアリだな」と「いやあ、それは考えてないな」というラインが見えてくるので、アウトプットの形についてもだんだん絞られてきます。
アウトプットの形が共有できたところで具体的なライティング作業のご相談に入ります。いつ、誰にどのくらい話を聞き、いつまでに何文字でまとめるのか。文章作成の際は曖昧な目的で聞いても時間がかかってしまうだけで、密度の濃い情報が得られません。お互いの時間を有意義に使うために、このような方法で作成しています。
ご自身でも可能、誰かに頼んでも可能
コンセプトやポリシーをまとめて文章化する作業はご自身でも可能です。でも時間がないときや他の業務で忙しい場合は、思い切って誰かに依頼したほうがスムーズにアウトプットできます。
お問い合わせフォーマットがありますので、気になる方はぜひご相談ください。
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