[書評]テクニックではない生のPOPを。

[書評]テクニックではない生のPOPを。

キャッチコピーの作り方やテクニックの本はたくさん出ています。こう書けば響くとか、この言葉で惹きつけるとか、この言葉は使ってはいけないなど。誰でも再現できるようにするためにはパターンを見つけて提示するのが一番簡単なのですが、そんなことを飛び越えた本がありました。

著者は有隣堂の店員である梅原潤一さん。この本も有隣堂で見つけて買いました。試論社という出版社から出ています。

書店ポップ術―グッドセラーはこうして生まれる

開くと、左ページに対象の書籍と梅原さんの解説、右ページには力強い独特の書体が貫かれた梅原さんの手書きPOPが掲載されています。見開きで、1冊の本がどんな意図とPOPで棚に並んでいたのかがわかります。

本によってはPOPを出した日からの売上グラフの変化が載っていて、POPが持っている力を数字で確認できます。

何より、開いたときのPOPのパワーがすごい。「うわー、これ見たらたしかに読みたくなるわ」というコピーとデザインの連続です。いくつかの本は実際に買いたくなりました。

巻末の梅原さんインタビューに「こうすると売れましたよ」という話がちょっと載っていますが、テクニックというより「どんな気持ちでこの本を推したくなるか」という根本の話。その気持ちをPOPの面積に置く工夫は、苦労ではないようです。

使っている日本語の選び方やキャッチの作り方は、読んでいるこちら側が感じたり盗んだりする必要があります。同じ本でも、どこを取り上げて読者に「読みたい」と思ってもらうか、はほかのライティングにも役立ちます。が、とにかく見ているだけで楽しい!

 

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