インタビュー取材の方法と記事作成のコツ

インタビュースキルはプロだけの持ち物ではありません。一般企業での文書作成やサイトづくりでも活用できます。ここでは私が実践しているインタビューの方法や記事の書き方、聞き方のコツをまとめてみました。人に頼むほどではない、自分でやってみたいという方はぜひ実践してみてください。

※ もっと知りたい人には、セミナーで「聞き方」を詳しく教えています。

電子書籍『聞き方の基本』にも詳しく解説しています。

 

インタビュー記事は、当日にもらう言葉が命

インタビュー記事では相手が話した言葉が一番力を持ちます。だからこそ当日どんな話をしてもらえるかが肝です。何も準備せずに相手に会うと聞き手と話し手が話題に困り、必要な話が得られなくなってしまいます。

直接話を聞けるのは情報収集のチャンス。せっかくの機会を生かすためにインタビューを決めたらこの手順を踏んでみてください。

1:準備|インタビューの目的を考える
2:準備|目的に合わせた質問を準備する
3:準備|質問はなるべく多く準備しておく
4:当日|インタビューを一問一答にしない
5:後日|聞き出した内容を整理する
6:後日|インタビュー記事としてまとめる

以下で詳しく説明します。

 

1:インタビューの目的を考える

人に話を聞いてみよう、まとめようと考えたとき、必ず最終目的があります。たとえばプロフィール作成なら「こんな人物に見られたい」という着地点があります。顧客にインタビューするなら、「自社の強み」について情報収集をしたいのか、「読み手がうちの製品を関心を持ってほしい」など文章をつくった後に起こってほしい効果があるのか、目的があるはずです。

話を聞きに行く前に必ずインタビューの最終目的を明らかにして書き残してください。ただ漠然と「話を聞きたい」というだけでは相手も何を話せばいいか困ってしまいます。どんな情報がほしいのか、何を話してほしいのかを、インタビューする側が事前にはっきり意識します。

 

2:目的に合わせた質問を準備する

よく「質問の作り方」について聞かれますが、質問は目的が定まると絞られます。何を聞きたいのか目的をはっきりさせたら、それを引き出すための質問を準備すればいいからです。

たとえば社内報の記事作成のためにA課長にインタビューをするとします。リーダー論に結びつけたかったら、仕事のチームワークの作り方や部下との付き合い方、A課長がその方法を見つけるまでの苦労などが質問項目になります。

でもスポーツで賞を取った話を書きたいなら質問が変わります。仕事時間との両立や競技の難しいポイント、大会に出たときの様子などを聞けば目標の記事につながるでしょう。仕事話とは聞くことが違うのです。

当日「何を聞くか」で得られる情報が変わるので、質問を作る前の目的設定はとても大切です。

 

3:質問はなるべく多く準備しておく

事前に相手のブログやサイト、会社サイトなどをチェックし、「どんな人なのか」「どんな経歴なのか」「最近何をしているのか」などの基本情報を得ます。

調べているときに「これって何?」「どうして?」と思うことが必ず出てくるはずです。これが質問のタネです。小さな疑問でも書き留めておきます。箇条書きで構わないので、当日参照できる紙に質問リストとしてまとめておいてください。

たとえば、経歴を読んでいると、なぜこの仕事から今の仕事になったんだろう、この仕事の面白い部分はどこだろう、この職業の人はこんな苦労がありそう、この年齢で決断をしたきっかけは何か、など疑問がわきます。小さくても、これら疑問一つ一つが「当日聞いてよい質問」です。

ひょっとしてこうかな、と理由を予想することがあるかもしれません。それも大事に書き留めて、当日、本人に確かめてみてください。合っていれば続けて話してくれますし、間違っていたら訂正してくれるので正しい情報が得られます。「間違った仮説を言ってはいけない」という決まりはありません。仮説から話が広がることも十分あります。まずは「聞くこと」=質問だと考え、たくさんひねり出すのが大切です。

質問はなるべく多く準備してプリントアウトしたものを持っておきます。話に詰まったらそれを見てまた質問を繰り出せばよいからです。たくさんの質問を見つけるために、知っている限りの相手の資料や情報にあたってください。

インタビューで面白いのは、聞き手によって「聞きたいこと」が変わる点です。同じ人に話を聞く場合でも、Aさんが聞きたいこととBさんが聞きたいことは違います。どちらも合っていて間違いではありません。質問の違いがインタビュアーの個性やオリジナルの内容につながります。「こんなことを聞いてもいいのかな」という不安はいりません。恐れずに質問をピックアップしてください。

 

4:インタビューを一問一答にしない

たまに警察の尋問のように用意した質問をどんどん聞く人がいますが、逆の立場で考えてみてください。それは答えやすい環境をつくり出すでしょうか。インタビューに限らず、人との会話はキャッチボールのようなやり取りが必要です。一方通行では聞き手も話し手もつらい時間になってしまいます。当日は一問一答型になるのを避けて、前の話題をつなげるようにしてください。

一問一答型は、出した質問に相手が答えて終わる会話です。せっかく答えても次は違う質問が出てきます。

とぎれない会話型は、質問者が前の話を受けて、関連する話を出します。「新宿でお昼を食べた」と聞いたら、「何を食べたのか」「いつも新宿なのか」「新宿に用事があったのか」など、相手の回答からふくらませて質問をつくっていくやり方です。

聞き方セミナーでは、初対面同士でそれを実践するワークがあります。

電子書籍『聞き方の基本』では上記をさらに詳しく解説しています。

でも、どうすれば実践できるか迷ってしまいますよね。一番簡単な返し方は、冒頭に「それって…」「その○○は…」など「それ・その」などを使って相手の答えを受ける言葉から始める方法です。「それはどこですか」「その○○は楽しいですか」「それって何分くらいですか」と聞くと「あなたの話を受け止めていますよ」というサインになるので柔らかく聞こえ、相手は答えやすくなります。

当日はとにかく相手にリラックスしてもらい、本音に近づけるようにすることが大切です。話を<させよう>とか、うまく<引き出そう>という考えは相手に透けてしまって逆効果です。

迷ったときは質問を並べた手元の紙があると質問が探せますし、当日の連想や思いつきも目的から外れないところで生まれるものです。上記3までの手順は面倒かもしれませんが、準備しておけば当日困ったときに頼りになります。

 

5:聞き出した内容を整理する

インタビューが終わったら聞き出した内容を整理してみましょう。当日はメモをとってもいいし、メモをとらずICレコーダーに任せるのもありです。これは人それぞれ方法があるようです。メモや録音から箇条書きでインタビューの内容を書き出します。

個人的にはICレコーダーの録音がおすすめです。当日緊張してしまっても録音さえあれば何とか取り返せます。最近は数千円で使えるスペックの製品が出ています。

書き出した内容を見て、相手が話した中であなたが一番読者に届けたい言葉やフレーズを見つけてください。「この発言をぜひ読んでほしい」「これはいいことを言ってくれた」、そんな言葉がありませんでしたか。これが記事の核=読んだ人に知ってほしいポイントになります。

 

6:インタビュー記事としてまとめる

インタビュー記事は聞いた順番で書き起こすものではありません。読んだときに一番言いたいことが読者の頭に残るよう、書き手が構成し直してよいものです。記事の最後に、上記5で見つけた「一番届けたい言葉・フレーズ」を持ってくると組み立てやすくなります。最後の部分が読み終わったときの印象になるからです。

以下がもっともシンプルな構成です。

①最終目的に対してネガティブな情報から先に書く(困ったポイントなど)
②そうなったきっかけや理由を説明
③現在はどうやって解決しているのかを説明
④最後は読者に覚えてほしいことで締める

たとえば最終的に「強い人だ」と思ってほしいなら「弱い人だった時代」から始める。「この製品が便利」と思ってほしいなら「不便だった」「まだなかった頃」から始める。最後は書き手にとって一番メリットがある内容で終わらせます。気に入ったインタビュー記事があったら、構成やスタイルをまねると身についてきます。

最後に、書いた文章をインタビューした本人に確認してもらってください。OKが取れたらめでたく完成! インタビュー記事が公開できます。

 

こちらも参考にどうぞ

ブログ|カテゴリー:ライターの聞き方
ブログ|カテゴリー:ライターの書き方
ライターの聞き方セミナー
プロのライターがインタビューするメリットとは