会社案内・事業案内の書き方

自社の事業内容を詳しく説明したいときは、どうすればよいでしょうか。これらの文章の成否は「うちと他社との違い」をいかに分かりやすく伝えるかにかかっています。大切なのは書く前の設定と準備です。人に頼むよりもまず自分で書いてみたい方のために書き方のコツをお伝えします。手順は以下です。

1:読後感を設定する
2:読後感に沿った自社の長所・特徴を探す
3:記事を入れたい場所の大きさを確認する
4:誰に伝えるか決めると、文体も決まる
5:基本的な組み立て方

順番に見ていきます。


読後感を設定する

その事業案内を読み終わったら、何を感じてもらいたいですか。自社についてどんな印象を残したいですか。例えば以下のような内容を最初に決めておきます。

  • 老舗企業としての安定性を感じてほしい
  • 当社の若い従業員たちのアイデアとパワーを感じてほしい
  • 業界を牽引する技術力に注目してほしい
  • 派手ではないけれど地道な仕事ぶりを信頼してほしい

これを最初に定めないと、何を訴えたい文章なのか曖昧なまま終わってしまいます。このゴールに向かって文章を作る!と意識して、1行で良いので明文化してください。むしろ1行で表せる読後感のほうがよいです。


読後感に沿った自社の長所・特徴を探す

では、そのゴールに向けた言葉・要素を探していきます。注意しなければいけないのは「あれも、これも」と欲張っていろんな要素を入れようとしないことです。幕の内弁当のようにいろんなおかずが入ったコンテンツより、長所や特徴を取り出して強調したコンテンツのほうが「他社との差」を表すことができ、最初に決めた読後感を際立たせることができます。

書く前に、先ほど設定した読後感に関して、こんなポイントを探してみてください。

  • 他社はしていない、うちだけのこだわり
  • 同業他社と比べて優位なところ
  • お客様からよく褒められる点

安定性をテーマにするなら、どの部分が他社より安定していると言えるのか。そのためにどんな工夫をしているのか。力強さをテーマにするなら、どんな点が他社より優れているので「力強い」と言えるのか。採用時に注目するポイントなど他社との違いがあるのか。設定と長所が交わる領域を探していきます。

3番目の「褒められる点」は皆さんあまり意識していないようです。しかし、多くの同業他社から自社を選んでくれたお客様には必ず理由があります。その理由を言語化すると同じような悩みを持った読者(見込のお客様)に響く文章を作ることができます。まだ調べたことがなければ、ぜひお客様に「なぜうちを選んだか」を聞いてみてください。自分たちよりも鋭い視点で長所を教えてくれることがあります。


記事を入れたい場所の大きさを確認する

意外と見落としがちなのがこれから書く事業案内の置き場所です。どこに置くのか、どのくらいの大きさのフォントで何文字入る場所なのか、事前に確かめておいてください。

もし狭い面積しかないのであれば、読後感に導くポイントは早く述べる構成にしなければ書き切れません。逆に長く書けるスペースがあるなら、自社の長所や数値的な根拠・対外的な評価などを詳しく紹介でき、印象づけられます。

文字も多ければよいものではなく、細かい字になるにつれて読者には読みにくくなります。読者対象(年齢の高低など)を考えながら読みやすい大きさを決め、その大きさで何文字入るスペースなのかを逆算してください。これから作る文章はなるべくその範囲内でまとまるようにします。

個人的には、デスクトップでスクロールしたときに2画面以上にわたる長さになると「初見では読むのが大変だな」という印象を持ちます。また大量の文章は文字の黒々とした並びによって重く感じます。書くなら400字〜1600字ほどが最適範囲と考えています。


誰に伝えるか決めると、文体も決まる

事業案内は、基本的にその会社を知らない人に自己紹介する文章です。人に話しかけるようなつもりで作成したほうが伝わります。誰か身近な人を想定してペルソナにし「その人が分かるかどうか」を基準に書くのも一つです。こんな設定が考えられます。

  • 親戚の大学生にも伝わるように
  • 異業種に就職した学生時代の同期に分かるように
  • 年老いた親でも理解できるように

事情によっては分かりやす過ぎる書き方を避け、あえて難しい単語を散りばめることもあります。中途採用ページのテキストで「業界や技術に対して一定の理解力を持った人だけ読んでほしい」などの場合などです。

  • あえて、システム構築でこの専門用語が理解できる人に向けて書く
  • あえて、「熱い思い」を持った人が好む語彙を使う
  • あえて、ある年齢層にだけ響く言い回しを使う

誰に伝えるかを決めると、おのずと文体や使える語彙が限られてきます。その枠から外れないように注意しながら、先ほど見つけた自社の長所や特徴を取り込み、文章を組み立てていきます。


基本的な組み立て方

それでは最初に決めた読後感に向かって文章をまとめてみましょう。必須なのは下記3項目で、この順番に記述すると構成がスッキリします。

  • 何の会社か、業務を知らない人にも分かる「大まかなジャンル」
  • 当社ならではの「長所・優位な点・こだわり」
  • お客様にもメリットが渡せる「今後のビジョンや計画」

冒頭は、初めて事業案内を読んだ人が「へええ、○○をしている会社なのか」と一言で表せるようなものがベストです。たくさん要素を入れると文字数も足りなくなるので、優先順位が1番、多くても2番までの知ってほしい事業や印象づけたい活動に絞ります。

設定した文字数が400字…この3要素を各1行か2行にするとすぐ400字ほどになると思います。

設定した文字数が800字…上記に加え、創業の志や社会貢献などの実績、将来の展開予定などを入れられます。

設定した文字数が1000字以上…上記に加え、他社との差、国内と海外での実績なども述べられます。具体的な金額や数値でシェアや成長を表すと内容を増やすことができ、情報の確度も上がります。

注意しなければいけないのは決めた読後感から外れる話を入れないことです。多少拙い出来と思うような文章でも、この主軸さえ外れなければ読み手を混乱させるような文章にはなりにくいからです。

書き終えた後は一晩以上寝かせて推敲するのがおすすめです。「足していく」よりも「削っていく」のを意識して見直すと、無駄なポイントが見えてさらに凝縮した文章になるよう磨くことができます。削った後に文字の余裕が出た場合、足すことを考えてください。


番外:ライターは何をするのか?

ライターは、お客様への最初の聞き取りで「目的」「スペース」を見極め、資料やインタビューを交えて「この企業の長所は何か」「お客様に響くポイントはどこか」「何を強調すると最も効果的か」を考慮し、テキストを作成します。

皆さんは会話の流れに沿って、情報をお話しいただくだけで大丈夫です。

また、ライターは求められた文字量に合うようコンテンツの密度を調整して、ターゲット読者にとって分かりやすい日本語で書きます。

自力で試したものの「あまりにも時間がかかる、本業を圧迫して大変」というのであれば、無理をせずに外注するのも手です。その時間はご自身の業務に集中できます。

書くのはちょっと大変そうだなあ、と思ったらぜひご相談ください。

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