基本情報
初めての方へ ライターにどうやって仕事を頼めばいい?
出版や制作業務に関わる人以外は、ライターへ仕事を依頼する機会が少ないかもしれません。お客様からもよくこういったお問い合わせをいただきます。
「ライターを見つけたけれど、どうやって頼めばいいの?」
「何を準備すればいいですか?」
そこで、このページでは初めてライターに仕事を頼むときどうすればいいのか、をまとめてみました。
依頼前に確認しておきたいこと
ライターの報酬計算方法はいろんなパターンがありますが、私は【取材費+作成費+交通費】の合計で算出します。そのため、お客様には事前に内容を確認して、どんな情報をどれだけ文章に載せればよいのかを考え、作業量と必要な金額を明示した「お見積書」を作成しています。
この「お見積書」を作成する前に、いくつかお客様にご確認いただきたい項目があります。
① どこに掲載する予定なのか?
② どのくらいのスペースに入れるのか?
③ 誰に伝えたいのか?
④ どんな「読後感」がほしいのか?
⑤ 期日はいつか?
事前に準備しておくと、私以外のライターに仕事を依頼されるときも手続きがスムーズになりますのでぜひ参考にしてください。なぜスムーズになるのか1つずつ解説します。
■ どこに掲載する予定なのか?
これまでのお客様ではいろんな掲載場所がありました。自社ホームページ、会社/学校案内、ブログ、チラシ、書籍、A4 1枚のPDF、10ページのパワーポイントなど。同じ「ブログ」でも記事に入れるのか、スペースが限られた自己紹介欄に入れたいのか、で書くことが変わります。文章が必要なところ、掲載場所がどこなのかは作成のためにも大切な情報です。
■ どのくらいのスペースに入れるのか?
たとえば講師業の方がチラシ(フライヤー)の自己紹介文を依頼するとします。
販促用に配るチラシの一画、狭いスペースで紹介したい場合は、信頼性が高まる情報を短く凝縮させます。インタビューもなるべくキャッチーな事実を掘り起こせるように組み立てて準備します。逆に、広々としたスペース、たとえばA4一面を使ってよいのなら、もっと長い文章が書けるので内容を深められます。インタビューでは仕事哲学や今の仕事に就いたきっかけなどを詳しく聞くように組み立てます。
このように、スペースの情報は文章構成とインタビューに大きく影響する要素です。同業他社の似たような掲載箇所を参考にして「こんな感じ」と提示いただくだけでも助かります。
どのくらいの分量にしたらよいのかわからない場合はお問い合わせください。狙いやご予算に応じてアドバイスができます。
■ 誰に伝えたいのか?
その文章によって、心が動いてほしい人は誰でしょうか。対象によって文章の書き方は変わります。若い人向けとキャリア層向けでは、話の進め方や語彙が違います。社内に伝えるなら本音が混じった情報、社外に伝えるならかしこまった情報、という区分けもあります。誰に伝えるかによってインタビュー当日の質問が変わるので、事前に情報をいただけると助かります。
■ どんな「読後感」がほしいのか?
記事を読むといろんな感想や読後感が残ります。皆さんも、プロフィールを読んだあとは「この人は見えない努力を大事にするんだな」「パワフルに周りを引っぱる人だな」など一定の印象ができませんか。もっと積極的に「ここに仕事を頼んでみよう」「これを買ってみたい」など行動につながることもあります。
作成するテキストも読後感を考えます。文章ではどんな「読後感」がほしいですか。読み終わって、皆さんにどう思ってもらいたいでしょうか。必ず狙いがあるはずなのでインタビュー前にそれを教えてください。当日の質問や文章を組み立てるときに欠かせない情報です。
■ 期日はいつか?
その文章が必要な期日はいつですか。取材日のアポイントをとり、取材し、作成するまでには日数がかかります。期日によってはお請けできない場合があります。
文章が短い場合は早く仕上げられるかもしれませんし、長いと通常よりかかるかもしれません。他のスケジュールとの兼ね合いなども考えてお返事します。
いざ、依頼する
お問い合わせフォームがありますので、ここからご連絡ください。
その際に上記で確認した内容をご記入ください。
① どこに掲載する予定なのか?
② どのくらいのスペースに入れるのか?
③ 誰に伝えたいのか?
④ どんな「読後感」がほしいのか?
⑤ 期日はいつか?
ご記入いただいたメールアドレスに大まかなご予算や日程をお知らせします。
もちろん5項目全部が揃わない、どう決めてよいかわからないというときもお問い合わせください。これまでの事例を参考に内容・ご予算・期日のバランスを考えてご提案が可能です。
お問い合わせから納品までの、詳しい流れ
お問い合わせ以後の作業フローは以下です。
【お問い合わせ】
ご連絡をいただいたらメールや電話などで詳細をうかがいます。
↓
【ヒアリング】
困り事やどんな媒体で文章が必要なのかをお聞きし、
取材時間・文字数を見極めます。
↓
【お見積書作成・送付】
↓
【お見積書ご確認】
内容と料金に問題がなければご承諾いただき、
作業に入ります。
↓
【取材】
お会いする日時を調整してインタビューします。
↓
【取材後7営業日で第1稿提出】
修正箇所があれば対応し文章をブラッシュアップします。
↓
【修正】
直しを終えて完成テキストを納品後、
お見積もりにもとづいてご請求します。
月末締め、翌月末日のお振り込みをお願いしています。
プロがインタビューするメリットとは
「聞いて書く」だけなら日本語の読み書きができる人みんなが可能です。でもわざわざ報酬を発生させて「インタビューライターが聞いて書く」ことの意味とメリットは何でしょうか。
※2012年11月3日ブログ記事の転載・一部改変です
書く作業に入る前に、交渉と調整ができる
起こりがちなのは、相手から「これもあれも入れてほしい」と後から要望が出ること。プロは「この話はここに入れられます」「この話は今回の筋から考えるとカットしたほうがよいと思います」「あふれた内容はこの項目でフォローできます」と現場でいくつも案を出します。すでに頭の中に設計図があり、どのくらい文字を調整すると入るのか、目安がつくからです。
これを「全部入れます」と言って持ち帰ると原稿が破綻するのがわかるので、「これとこれを、こんな主旨でまとめます」と述べてクライアントとの調整は必ず行います。インタビューの現場で書き上げたときの印象が共有できると大きな直しは起きません。現場での交渉で納得していただくのもプロのスキルです。
インタビューで的確な質問ができる
作りたい形(ゴール)がわかれば準備ができ、準備をすると現場では道を外さない質問ができます。うまく質問ができれば原稿に必要な情報が得られます。
必要のない情報をカットしつつ、聞きたい部分を深く聞く質問力は欠かせません。ライターはそれぞれやり方やコツを持っています。頭の中でフォーマットを用意しつつ、話の流れに応じたアドリブが可能です。
以前、クライアントの方がその先のお客様にインタビューした音声を聞く機会がありました。聞いた10秒ほど、会話1往復半の間に、私の頭では「これを聞かないと具体的な話にならない」「この部分をもっと深掘りするべき」「こんな聞き方もできそう」というアイデアが5つ6つ浮かんでその場で提案しました。もし現場で私がインタビューしていたら、すぐ質問して情報を拾いにいったでしょう。
読みやすい文と構成に直すことができる
インタビューの内容を聞いた順番で載せることもできますが、読みやすさを考えると必ず加工が必要です。対象の読者はどんな話題から始めれば読んでくれるのか、どの事例をピックアップすると良いのかを考えて内容を入れ替えます。
対象の読者がどんな語彙を持っているのか、考えながら書くのもプロの仕事です。若い女性が対象なら「リンクする・つなげる」と書くところを、シニア層が対象のテキストでは「繋げる・関連づける」と言い換えるなど、いくつか方法があります。
だから、プロに頼むと「原稿と時間の質」を上げられる
上記3つはプロとして活動するライターなら兼ね備えているはずです。聞いたけれどまとめるのに1日かかった、聞いたわりに情報が残っていない、そんな悩みがあったらぜひプロのライター/インタビュアーに頼んでみてください。コストはかかりますが原稿の質が上がり、余った時間でほかの仕事を進めることができます。
ライターを使った、企業向けおすすめメニュー
ライターの仕事は出版物や雑誌に限りません。一般企業でも、ライターによる文章作成でこんな効率化や改善を図ることができます。クライアントの業務改善や活性化に悩む営業・人事・経営コンサルタントの方にも、SEO対策とは一味違った良質なコンテンツづくりでお役に立てます。
社内報や広報誌、自社サイトでのコンテンツ作成
広報が独立している企業なら専従で社内広報業務ができるかもしれませんが、多くの場合は総務や人事の方が本業を抱えながらコンテンツを集め、制作しているのが現状です。そんなときはぜひライターに依頼してください。手が足りないコラムや特集記事だけなど、パーツごとの発注も可能です。
- 社員インタビューや社長コラムだけ作成してほしい
- 全国にある支店や支所も紹介したいが取材に行く時間がない
- サイトリニューアルで事業案内をもっとわかりやすく作り替えたい
- 企業理念・代表挨拶・沿革・開発エピソードなどをまとめてほしい
メールマガジンで顧客に親近感を持ってもらう
定期的に発行するメールマガジンは、お客様のすぐそばで印象づけができる便利なツールです。しかし、あまりにも宣伝ばかりの内容だとせっかく発行しても読んでもらえません。
こちらでは宣伝や物販を重視するのではなく「読んで役立つ」「企業に親近感がわく」メルマガを作成します。企業にはそれぞれカラーがあり、宣伝以外にもメルマガの種になる話題はたくさんあります。毎月の取材で、伝えるべきニュース+中の人の人柄や取り組みがわかるコンテンツを掘り起こします。
- 見込み客/既存客、それぞれに違うニュースや役立つ情報を送信したい
- メルマガに載せたいことを話せるが書けない、書く時間がない
お客様の声や導入事例を、聞きに行って書く
サイトやパンフレット、チラシなどで有効なのは、実際に使ったり購入したりしたお客様の感想です。ただ、アンケートなどから作成すると表現が通り一遍になってしまい、なかなか本来の雰囲気が伝わりません。
ライターに依頼すると、直接お客様のところへインタビューに伺い記事を作成します。第三者の取材なのでお客様も本音で話しやすく、商品へのフィードバックを得ることもできます。事前の打ち合わせで「どんな声がほしいのか」「読み手に訴えたいポイントは何か」をすり合わせるので的を絞ったインタビューが可能です。
対談や座談会を利用して、社内の風通しを良くする
社内報や採用サイトなどで対談や座談会というコンテンツを利用するのはいかがでしょうか。会話調で載せるので読みやすく、長文で訴えるよりも読み手に印象が残ります。
また、共通したテーマで集まって話をすると、相手の知らない一面や考え方が見えてくるので、社内コミュニケーションの一環として企画するのも有効です。以前実施したときには「○○さんとこんなに話したことはなかった」「考え方がわかってよかった」という感想を多くいただいています。原稿を作成しないファシリテーションもお請けしています。
※ 複数人が登場する対談・座談会の制作ご案内はこちら
社内向けにしっかりした人物紹介記事を作成する
社内報などで新人や中途採用者の「一言」が載っていることがよくあります。「がんばります」「こんなことをしたい」などの言葉が並びますが、第三者によるインタビューなら人柄や考え方をもっと詳しく伝えることができます。
どこかに掲載することもできますし、PDFにまとめて社内配布するなど工夫する企業もありました。また、仕事に就くと自分のことを長く話す機会が少なくなるので、インタビューに応じた方からは「楽しかった」と感想をいただくこともあります。
カウンセリングとまではいきませんが、話しているうちに仕事の棚卸しになるシーンは多いです。もちろん原稿はお互いを知るための良い材料になります。社内コミュニケーションの円滑化に一役買います。
ライターへの依頼方法がわからない方へ
ライターと初めて仕事をする方に向けて、依頼方法をまとめています。
話を聞いて文章を書くのは誰にでもできることですが、なぜプロに頼むとよいのかメリットを書きました。
まずはお気軽にお問い合わせください。