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福岡伸一『動的平衡』レビュー 緩やかな唯一無二

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丘村@オフィスワークの知恵袋です。→うちの本業はこちら

福岡伸一『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』を読了しました。ベストセラー『生物と無生物のあいだ 』にも通じる、この本の福岡さんの概念は「お変わりありまくり」。

「自分という個体」は確固としたものだと思ったら大間違いで、ミクロな細胞レベルでは絶えず変化し続けている。1ヶ月前の自分と今の自分は全細胞が入れ替わっている。脳の中も心臓も、残らず。

物理的には「お変わりありませんね」はあり得ない。でも不思議と人は記憶と自我を保って、「そこに存在し続けている自分」を意識することができる。

研究者はずっとそれを追い続けているけれど、まだ答えは出ていない。そんな概念を文系でもわかるように噛み砕いて、親しみやすい比喩で書かれている本。
理系で専門知識がある方からは「記述が甘い!」「間違いが多い!」という指摘もあるようですが、その方面の知識がない私は楽しく読みました。

福岡さんがいうには、自我を包んでいる皮膚もどんどん代謝していく細胞なので、人は結局「淀み」としか表せないらしい。ちょっとうまく固まっている淀み。

そう考えたらいろんなことがラクになります。

下手に「自分自身は唯一無二! 何者にも代え難い!」と思ってしまうより、「自然の中にある淀みの一つなのかあ」と緩く考えているほうが、自分を変えるときのハードルは低くなるじゃないですか。

こうであらねば、とか、こうしないと、という括りを、自然はエントロピーの法則でいとも簡単に崩していってしまう。だったらその中に身を任せた方がいいのかもしれません。所詮、抗っても抗いきれない力。

自分を流れの中のたまたま「自分型に淀んだ場所」と思えば、拘泥していた諸々がどうでもいいような気がしてきます。よいことも悪いことも、細胞レベルでどんどん変化して代謝して、分解されてしまうのだから。

悪い感情も悪い運勢も自分の(淀みの)中に固定されることはないのだから、心配するのはよそう。その心配すら、たぶん明日には流れていってしまうもの。

理系の本ですが、自分の在り方について新しいヒントをくれる本でした。

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

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福岡伸一『動的平衡』レビュー 緩やかな唯一無二 への1件のコメント

  1. SECRET: 0
    PASS:
    驚きました。
    私も実は、福岡伸一さん著の
    「生物と無生物のあいだ」「動的平衡」を購入し
    前者を読んでいます。
    この本、ある意味ショックを受けますよね。
    個の存在は「よどみ」であること
    確かに楽になる面もありますね。
    日々の食事なども重要ですよね。

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