[書評]『字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記』太田直子

[書評]『字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記』太田直子

20130827-191811.jpg字幕をつくる人がどんな苦労をしているのか。本屋で見かけて衝動的に買った一冊『字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記』。期待を裏切らず、字幕制作の細かい解説と字幕屋さんの心理状態が余すところなく書いてありました。面白い!

書かれているのは、映画の字幕はどんな気遣いで作られているのか、具体的な字幕作成手順や制作会社との攻防、日本語へのこだわりなど。わか りやすさと質の良い日本語の狭間で悩むくだりは、自分でも心当たりがある。のと同時に跳ね返ってくる。

一行もしくは二行で表現しなければいけない職人芸。一行にどれだけの思いと情報が詰まっているのかよくわかる。

こう言いたいのはやまやまだけど字数が足りん!という場面しかない。毎シーンで数個のキャッチコピーをひねり出すくらい苦労している。

訳すだけでは字幕屋にはなれない。字幕ならではの作法や決まり事があって、前工程と後工程に挟まれている。芸術的なところで立ち止まっている時間も理由もないので、サクサク求められた高い品質を造りあげるしかない。

見直すのに必ず映像と照らし合わせなければいけないのは、文字だけを相手にする仕事と違う大変なところ。だからこそわかる間違いや見つけられるものもあるそうだけれど。

書く仕事をする人(そしてニホンゴで苦労している人)ならきっと面白く読めます。

字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記

【インタビューライター 丘村奈央子】
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