[書評]『わたしをみつけて』中脇初枝

[書評]『わたしをみつけて』中脇初枝

20130827-185343.jpgどちらかといえば『きみはいい子』のほうが名前が通っているのでしょうか。7月に出た『わたしをみつけて』を先に読みました。「いい子」の呪縛に囚われている主人公の自分探し。

両親に捨てられ施設で育った主人公。准看護師の仕事で出会った人たちのおかけで変わっていく。短文がプツプツ並ぶリズムに面食らったけれど、師長さんが出 てくる頃に慣れてきました。何も選択しない主人公は苦手なので、最後は自分の選択ができてよかった。少し宙ぶらりんなラスト。

展開がどうなるのかはともかく、個人的に「自分でものを考えない(考えられない)登場人物」を読むのが本当に苦痛……。どうしてこうしないの、とツッコミながら読んでしまう。そこから解放されてホッとしました。

純文学だけど、事件や解決するべきこと、ちょっとハラハラするところもあって読み継げました。これを読んだあとに『きみはいい子』を見るとどうなるのかな。

わたしをみつけて

【インタビューライター 丘村奈央子】
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