大阪の国立民俗学博物館へ行ってきました

大阪の国立民俗学博物館へ行ってきました

20130501-121705.jpg連休前の大阪出張と実家帰省を兼ねて、国立民族学博物館に行ってきました。初代館長は梅棹忠夫さん。二代目館長は先日亡くなった佐々木高明さん。申し訳ないのですが訃報で何度か「みんぱく」の名前を聞いて「行ってないなあ」と興味が出てきました。ちょうど民俗学に続くような本を読んだこともあって、今回初探訪です。

歴史や地元をよく知っているライターさんと行ったので、みんぱくの由来や内容についていろんな情報を教えていただきました。じっくり見るなら半日くらい。

万博記念公園内にあるのは知っていました。平日に行けば空いているのかと思ったら甘い。道は幼稚園の遠足や修学旅行生であふれている…。やっぱり「太陽の塔」を見ると写真を撮りたくなって激写しました。

改めて思ったのは、後ろ姿の背中ラインがセクシーなこと。人間でいうところの肩胛骨の位置から腕が反り返っているのが潔いですね。

Exif_JPEG_PICTURE▲はっ。

それはさておき。

特別展はマダガスカル展でした。入口に「マダガスカルはどこでしょう」と地球を模したオブジェがあります。パッとわからなくて見たら本当に日本の裏側にあるんですね。館内は触ってもよい展示物がいくつかあって、材木や住まい、装飾、家具などが展示されていました。

木に彫り物をした板が家に使われるようなのですが、同行のライターさんと「日本人ならもっとこの辺を揃えるかも」とか「細かくするかも」。南の文化だからなのか大らかで、ある意味大ざっぱ。こだわりポイントが文化によって違うんですね。

直角に板を組んだ椅子は実際に座ることができます。座面が斜めなのでお尻がすとんと真下に落ち、見た目より格段に座り心地がよいものでした。これを直角に置くとひと昔前の列車のボックス席。あれは腰が痛いです。でも少し斜めにするとリラックスする角度に。

常設展に向かう手前にスクリーンで資料映像を見られるブースがあります。言語や食物、住まいなどいろんな画像があってそれぞれ10分以上のしっかりしたもの。食物はシビアな屠殺シーンなどがあってしんどいらしいので、違うメニューを少し見ました。『NHK特集』とか『新日本紀行』が好きな人なら飽きません。何十本もあるので、これだけでもかなりの知識になりそうです。

実はまだ入場していません。チケットを見せて入場すると、めくるめく民俗学の世界へ。ここから地域展示と通文化展示があります。

地域展示は「世界をオセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、それに日本を含むアジア各地域に分け、オセアニアを出発して東回りに世界を一周し、最後に日本にたどり着く構成」とのこと。衣食住など生活に密着した道具が所狭しと展示されています。さらりと「人肉用フォーク」が置いてあったり。

お面を作るとか土を耕すとか、基本目的が同じでも表現方法が多種多様。鎌一つ見ても「当たり前だと思っていた形状」が全く当たり前ではないので、それに気がつくだけで行った甲斐があります。

ライターさんによると、今自分たちが標準だと何となく認識している「父母と子ども2人」という1世帯の規模や2LDKや3LDKのような住宅規格化は20世紀前半のドイツから始まっているとのこと。知らない間にいろんなものに染まってるんですね。

でも染まること=文化でもあるわけで、ぐるりと回るだけで本当に世界一周をした気分になりました。

音ってのはみんな高低に気づいて、何かしら旋律を奏でたくなるんですね。服も動物から気候に合わせて加工したり、よそのを真似たり。でも色づかいは場所によってガラッと変わるので楽しい。肌の色にもよりますよね。

最後が日本、というのがミソです。日本の祭りグッズや藁、紙、木に囲まれると「帰ってきたー!」と深呼吸したくなる。工芸品や民芸品の妥協しない仕事ぶりや細工を見ると「日本ていいよねえ」と安心します。

ミュージアムショップはさまざまな地域の工芸品を買うことができます。もちろん絵はがきやクリアファイル、関連書籍も充実。文化ごった煮の感じで面白いです。

途中でミニ図書室のようなスペースがあって民俗学の本が結構並んでいるんですが、入口から距離があるし、展示を見終わって通るような場所なので誰も利用していません。学校の図書館より深い本がたくさん並んでいそうなのに、勿体ないなという話になりました。

ここまでで3時間ちょっと。内容は少しずつ刷新されているそうなので、次回に行ったらまた違う旅行ができそうです。

 

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